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台風一過の爽やかな青空の下、日比谷音楽祭で北海道・東川町のファンになる日

2023年6月3日~4日に日比谷公園で開催された「日比谷音楽祭」では、ライブイベント以外にも様々な企業のブースが設置されていました。以前QUMZINEで取材させていただいた北海道の東川町もその一つ。東川町のブースでは、「写真の町」をアピールすべく、東川町の風景をバックに、東川町で制作された椅子とともに東川町在住のプロのカメラマンが記念写真を撮影するという企画を行っていました。お天気にも恵まれ多くの人が参加していましたよ。(写真・文/QUMZINE編集部、永井公成)

日比谷音楽祭にやってきました

霞が関、日比谷、有楽町とビジネス街のすぐ近くにある日比谷公園はまさに都会のオアシス。ビル群に囲まれているとは思えないような自然を見ることができます。

そんな日比谷公園で2023年6月3日~4日に開催されているのが「日比谷音楽祭」。会場の一部となる日比谷野外音楽堂は今年で100周年なのだそう。今年も、桜井和寿さんや木村カエラさんなど多くの人気アーティストが参加しました。報道によると、サプライズゲストとしてB’zも出演されたようですね。

さて、そんな日比谷音楽祭の会場となった日比谷公園の噴水広場を歩いていると、企業が会場内にブースを展開しているのを見かけます。そしてよく見ると、以前どこかでお見かけしたロゴを発見することができました。あの青い山のロゴ… QUMZINEで以前取材した北海道東川町ですね!

プロのカメラマンが無料で記念写真を撮影

東川町については以前も記事でご紹介していますが、軽くおさらいすると、北海道の旭岳の麓に広がる人口約8500人の町で、豊富な森林資源や上水道の整備が不要なくらい美味しい地下水に恵まれたところです。この水を活かして作られた「ゆめぴりか」「ななつぼし」などの米もあり、米どころとしても有名なんですよね。また、風光明媚な自然があることから、1985年に「写真の町」を宣言し、写真を町づくりに活かしています。人口の半分が移住者で、全国的にも注目されている町と言えます。

東川町の今回のブースでは、東川町の工房で作られた椅子に来場者が座り、東川町に在住するプロのカメラマンが記念写真を無料で撮影してデータを持ち帰ることができる企画を行っていました。

スマホが普及して写真を撮影する機会は増えましたが、家族や友人同士でプロのカメラマンに撮影してもらう機会はなかなかありません。日比谷音楽祭に来場した記念の写真を、プロのカメラマンが無料で撮影してくれるとあって、ブースは多くの人でにぎわっていました。

会場にいた東川町の職員の方によれば、悪天候のため開始時間が遅くなった1日目の時点で70組が撮影したとのこと。昨年も同様の取り組みをしたときは2日間で110組だったそうで、今年は昨年を上回る盛況ぶりと言えそうです。(後日お聞きしたところ、2日間で143組の撮影を行ったそうです!)

写真はこちらのスタジオで撮影していました。東川町の背景セットと、東川町で作られた椅子が置かれています。

今回用意された椅子は、東川町で活動されている木工事業者の「工房宮地」、「北の住まい設計社」、「東10号工房」、「バウ工房」で作られたものとのことです。どれもそれぞれに木の温かみを感じますね。

そうそう、東10号工房さんには以前QUMZINEで取材もさせていただきました。

撮影風景を少し眺めていたのですが、やはりプロのカメラマンが撮影するというだけあって、機材や構図はもちろんのこと、自然な表情が出るような明るい雰囲気を演出して撮影しているな、と感じました。これも含めてプロの技なのでしょうね。

東川町職員の方によると、来場者の多くは北海道に来たとしても札幌などより有名な観光地を訪れるのみで、東川町のことを知らない人が多いそう。撮影のために列に並んでいる時や、撮影前後に職員の方とコミュニケーションをとったり、掲示物の説明を受けたりすることで東川町について知り、詳しくなることが多いようです。

東川町はこうしたイベントをいろいろなタイミング・場所で行っており、魅力を宣伝することで少しずつ認知度を増やし、ファンを増やしているそう。中には都内に住みながらイベントをきっかけに東川町のファンになり、同じイベントに何度も顔を出すという熱心な方もおられるようです。

ひがしかわ株主制度

そして、このブースでは東川町へのふるさと納税も受け付けていました。
このブースで1万円以上ふるさと納税を行うと、返礼品とは別にこの日撮影した写真を印刷し、木工クラフト事業者が制作したフォトフレームに入れて後日発送してくれるそうです。実際に会場でふるさと納税の手続きを行っている方を見かけました。後日お聞きしたところ、2日間で16名、174,000円の寄付があったそうです!素晴らしい成果ですね。

また、東川町のふるさと納税には「ひがしかわ株主制度」があります。寄付をすることで返礼品がもらえるのは一般的なふるさと納税と同じなのですが、東川町の場合は寄付をする先の町のプロジェクトが選べ、寄付を行うことで「株主証」が発行されます。この株主証を使うことで町内の指定する施設などが特典価格で利用できるほか、指定の町内の施設が寄付から1年間、2泊無料で宿泊できるなど、多くの特典が受けられます。東川町の魅力を知ってファンになった人にはかなり魅力的ですね。

1万円以上の投資で投資から1年間2泊無料宿泊できる「ふるさと交流センター」(東川町ウェブサイトより引用)

ブースには写真甲子園についての概要説明パネルも設置されていました。写真甲子園こと全国高等学校写真選手権大会は、全国の高校写真部・サークルなどから、共同制作による作品を募集し、 作品審査及びプレゼンテーション審査によって全国11ブロックから優秀校19校を選抜し、 本戦大会開催地である東川町にて、同一条件下で高校写真部の全国一を目指すというものです。2023年で30回目を迎える写真甲子園は今年、大会歴代最高となる584校から応募があったとのことです。予選で優秀な高校を東川町に集め、そこで優秀な写真を撮影してもらうことで、結果的に東川町で撮影された素晴らしい写真がまた生まれるというすごい循環が生まれていますね。

ブースには東川町を伝えるパンフレットが複数設置されていました。台風一過で風の強い会場でしたが、そこでペーパーウェイト的に使われていたのは缶詰。何の缶詰なのだろう?と思っていたのですが、これはブースで記念撮影に参加した人に配られていたもので、「米缶」と呼ばれているものだそう。中には東川町の誇るお米「ななつぼし」が270g入っており、炊飯時には缶1杯分の水を使って炊飯するとうまく炊けるそうです。ユニークな商品ですよね。

東川町に今後も要注目!

日比谷音楽祭の中で企業に交じって唯一、単体の自治体としてブースを出展していた東川町。今年でこの取り組みは2年目だそうで、撮影申込者数ではすでに発展の兆しが見えています。代官山での移住イベントやTOKYO TORCH桜まつり、そして今回の日比谷音楽祭など、ユニークな広報戦略を多数行う北海道・東川町から今後も目が離せません!

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