新潟でイタリアンを注文したらとんでもないものが出てきたり、月に1回も入荷しない伝説のカレーを求めて表参道まで行ったりした話
新潟で「イタリアンを食べる」とは?
「イタリアン」という言葉を聞くと、ピザやパスタなど、おなじみの料理が思い浮かびますが、新潟県ではどうやら違うそう。どうやら新潟県民から長年愛されるご当地グルメがあるらしいのです。
このご当地グルメとしての「イタリアン」は、新潟県内に22店舗ほどある「みかづき」というお店で注文できます。
フライドポテトやコーヒー、ソフトクリームなども販売していますが、メインはやっぱり「イタリアン」。
さっそくいちばんオーソドックスな「イタリアン」を注文してみました。
な、なんだこれは・・・?
新潟のご当地グルメ「イタリアン」は、焼きそばに、ミートソースがかかり、白ショウガが添えられているものでした。
公式サイトによれば、昭和35年から販売されているとのことで、もうかれこれ60年以上前から発売されていることになります。<資料館>というページによれば、麺には炒めたキャベツともやしが入っているようです。コーンも入っていたと思います。
「果たしてそれ、美味いのか…?」とは誰もが思うと思うのですが、実際に食べてみると、焼きそば部分が甘め、そしてミートソース部分も甘めで、どちらも甘めの味付けでまとまっているんです。「なるほど、そういうことなら焼きそばとミートソースの組み合わせでも合うかもね」と食べながら思いました。焼きそば部分は比較的薄めの味付けなので、ミートソースと合わさっても味が濃すぎることはありません。むしろ、ミートソースの甘みを焼きそばが引き立てているような感じがしました。
お値段は税込みで380円。これにフライドポテトとドリンクがついたセットも発売されており、全体的にハンバーガーショップのような雰囲気になっています。
また、メニュー表を見てみると、ホワイトイタリアン、カレーイタリアン、トマトツナイタリアン、チキントマトシチューイタリアン、和風キノコイタリアンなど、様々な派生メニューもあり、もはやイタリアなのかインドなのか日本なのか、わからない状態になっています。
店の中は比較的若いお客さんが多く、和やかなムードで雑談していました。イタリアンはこの地にしっかりと根付いたカルチャーといえそうです。
バスセンターのカレー
新潟県のバスセンターで出されるカレーがおいしいらしい、という話を以前ネット上で見ていました。バスセンターがどういう場所なのか全く知りませんでしたが、正直に言って「そこまで騒ぐほどのものなのか…?」と思っていました。「そういえばあれは新潟県だったな」と思いだし、詳しく調べてみると「バスセンター」とやらは新潟駅から徒歩で行ける距離だったので、訪れることにしました。
新潟駅から歩くこと10分。「新潟交通万代シティバスセンタービル」がいわゆる「バスセンター」のことを指すようです。
「バスセンターのカレー」として世に知れ渡っているのですが、どうやら「万代そば」が店の名前のよう。バスターミナルの一画にあり、バスの時間までに手軽に空腹を満たせるように作られた立ち食いそば屋という感じです。なお、「万代そば」の文字は店内の看板に書かれていないのでご注意。
平日の11時ごろに訪れたのですが、立ち食いスペースはほぼ満席と、人気を感じさせます。多くの立ち食いそば屋と同じように食券を購入してカウンターで渡し、自分の商品を受け取って空いているスペースで食べる流れになっているようです。
かけ、きつね、月見と立ち食いそば屋ではおなじみのメニューが並んでいますが、やはり多くの人が注文していたのはカレーでした。ざっとみたところ、麺類を注文していたのはむしろ少数派のように見受けられました。
今回は「ミニカレー」を注文。さてどんなカレーなのでしょうか。
こちらが話題の通称「バスセンターのカレー」、ミニサイズです。ルーが黄色いのが特徴的。
ミニサイズでもそこまで小さいというわけではなく、小食の人にはこれで十分という量ですね。ルーはご飯の上にたっぷりと掛かっており、添えられている福神漬けも多め。ルーは基本的に味は甘めで後味がピリッと来る感じ。結構濃厚でガツンと来ます。給食に出てくるカレーをもっとレトロにしたような印象で、確かにこのカレーは食べたくてもなかなか食べられる場所がなく、話題になるだろうなと感じました。
地産地消のお肉を使用しているとのことで、新潟県産の豚肉が使われているようです。
調べてみたところ、1973年にバスセンターが完成し、その頃から販売されていたそう。2017年、2018年に相次いで人気テレビ番組で取り上げられ、県内外のお客さんが一気に増えたとのこと。2020年にはビルの耐震化工事の影響で移転したのちにリニューアルオープンされたようです。
人気が出たことで派生商品も複数発売。カレーせんべいや柿の種、Tシャツまで登場していました。
東京・表参道で新潟を見つける
なかなか新潟まで来ることがないと考えると、この味わい深いカレーをまた食べたくなるというもの。この「バスセンターのカレー」はレトルトでも販売されているようなのですが、新潟駅の土産物売り場には売られていませんでした。
そこでいろいろ調べてみたところ、都内では表参道にある新潟県のアンテナショップでも「バスセンターのカレー」のレトルトが販売されているらしいことが判明。後日訪問してみました。名前は表参道・新潟館ネスパスで、場所は表参道ヒルズのすぐ裏側。いわゆる表参道の道路から少しだけ奥に入ったところにあります。
新潟ご当地カレーは何種類か販売されているのを確認できましたが、肝心の「バスセンターのカレー」のレトルトは見当たらず。その商品を置くスペースも確認できません。商品を整理しているスタッフの方に聞くと、「人気すぎてすぐに売り切れてしまう。電話番号を知らせてくれれば、取り置きはできないが商品入荷時に連絡を入れることはできる。ただ、最近は月に1回入荷があるかないかくらい」とのことでした。人気すぎてなかなか手に入らない状況になっているということのよう。
「売ってはいるらしい」けど、売り場でその存在はまず確認できない。「バスセンターのカレー」のレトルトカレーは、今や伝説と化していました。ちなみに、私の電話番号をお伝えしましたが、今のところ入荷連絡は来ていません。
ただ帰るのももったいないので、地下にある新潟の食を楽しめる飲食店「新潟食楽園」に来店しました。新潟といえば「へぎそば」が有名ですね。
じゃらんニュースよると、へぎそばとは新潟の郷土料理で、「木を剥いだ『剥ぎ板』で作られる四角の器『へぎ』に盛られ」「『布海苔(ふのり)』がつなぎとして練り込まれ」「『手繰り』という、1口程度に丸めて盛られる」特徴があるそばとのこと。
新潟訪問時は「へぎそば」を食べる時間がなかったので、代わりにこちらでいただきます。
こちらは新潟県のアンテナショップ内飲食店というだけあって、本場・新潟県小千谷市にある「たかの」の生そばを使用しているとのこと。
へぎそばは布海苔が練りこまれており、独特のコシの強さとツルツルした食感を感じるのが特徴とのことですが、確かに食感がツルっとして軽く、何杯でもいけそうです。
ちなみに、細かいことですがネスパスは東京都内にあるため、Go To Eat東京のクーポンも利用可能。25%お得に新潟の味を堪能することができました。
おまけ カニコーラ
新潟訪問時に土産物屋で気になったけど買わず、表参道・新潟館ネスパスで同じものを見かけたときについ購入してしまったのがこの「カニコーラ」。
日本海産ベニズワイガニだしパウダーを使ったカニ風味のコーラなんだそう。まったく味の想像がつきません。
カニの「甲羅」から「コーラ」を想起して作ったんだろうなとか、日本海産ベニズワイガニだから新潟のお土産としてはおそらく適切なんだろうなとか、200mlで349円はなかなかのお値段だなとか、そもそもなぜコーラにしようと思ったのか、いろいろ思うところはありますが、買ってしまった以上、飲んでみるしかありません。
パッケージをあらためて読んでみると「カニ風味!?不思議味コーラ」とあります。断定表現ではないので、カニ風味であることすらもちょっと怪しいみたいです。
ふたを開けてにおいをかいでみると・・・
普通のコーラの匂いです。少し弱い気もしますが。
一口飲んでみると、ジェネリックなコーラの味がしました。
さらに数口飲んでみると、なんとなくカニがよぎったような気もしてきます。
海に行って岩場を観察すると、岩肌と同じような色の小さなカニが岩の割れ目に素早く身を隠したりするのを見ると思うんですが、そんな感じです。
「あれ、今そこに小さいカニがいなかった!?」感。
コーラを飲んでいるはずなのに、後味にどことなく蟹の面影を感じでだんだんと脳がバグってきます。この不思議な感覚が繰り返されること数回。
でもやっぱり、コーラにカニの風味はついてなくていいと思いました。
カニ鍋のおいしい季節となってきました。
寒い日が続きますが、体調を崩されませんよう、ご自愛ください!!
<追記>
表参道・新潟館ネスパスを訪れてからおよそ3週間後、「バスセンターのカレーのレトルト」が入荷したとの電話連絡をいただいたので、その日のうちに購入してきました!実在していたんですね!!
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