アプリ、AI、人力… 「本との出会い」をサポートするサービスを集めてみました
普段、読む本を決める際に、AmazonなどのリコメンドやSNSで見かけた話題の本、あるいはメディアで紹介された本を買うという方が多いと思います。でも、そのやり方だと著者や内容が偏ってしまいますよね。実は、自分が普段読まないような本と出会うためのサービスがいくつもあります。今回はそのうちのいくつかをご紹介します。
taknal
まずはじめにご紹介するのはアプリ「taknal」。このアプリをインストールしたユーザー同士がすれ違うことで、オススメする本の情報が交換されるアプリです。
ユーザーはあらかじめアプリに自分がオススメする本や感想文を登録しておくと、半径1km以内ですれ違った誰か他の人のアプリにあらすじとともにその情報が表示されます。気になった本は保存しておくことで後から見返せます。
実際にインストールしてみると、自分の知らない本ばかりが並ぶので、新しい本との出会いに役立つと感じました。また他ユーザによって書かれた感想文も簡潔なのでECサイトのレビューのように読むのが面倒になりません。
BOOK4U
「BOOK4U」はAIが自分にあった本を選んでくれるWebサービス。「文学作品の心理成分、およそ100項目をAIが解析し、読者の嗜好や性格、今の気分にフィットしたおすすめの本を提案」するとのことです。心理テストのようなアンケートに答えると、数冊を選んでくれます。
ちなみに、実際に筆者がやってみてオススメされた本はこちら。なるほど。
「文喫私選」
東京・六本木にある入場料を支払う必要のあるユニークな書店、文喫。こちらでは「文喫私選」という本の福袋があります。「声に出して読みたい本」「散歩に持っていきたい本」と言ったテーマでセレクトされています。また、本記事執筆現在は「文喫あいがけ私選」と題して、Soup Stock Tokyoの大人気企画「Curry Stock Tokyo」とコラボレーションした「文喫私選」も販売されています。こちらは、本に加え、Soup Stock Tokyoがセレクトしたレトルトカレーも入っているとのことです。ユニークですね。
いわた書店
北海道に所在するいわた書店は、「1万円選書」というサービスを行っています。2007年から独自に展開するサービスで、店長が申し込んだ人が記入した「選書カルテ」をもとに1万円の予算で選書されます。人気のサービスで、3000人もの希望者が殺到したとのことです。2018年には「プロフェッショナル 仕事の流儀」でもこのサービスが取り上げられました。プレジデントオンラインでも記事が出ており、選書カルテで聞かれることが書かれていますが、こちらも興味深いです。現在は人気サービスのため、毎年秋頃募集をし、抽選で当選した人のみが選書を依頼できるそうです。2021年は10月に募集開始とのことで、もうすぐですね。
【2021年11月17日追記】実際にいわた書店の「1万円選書」を注文してみました!
文喫
「文喫私選」で紹介した文喫ですが、選書サービスも行なっています。価格は22,000円、33,000円、44,000円の3種類があります。電話でヒヤリングを行い、依頼者のためだけにスタッフが選書します。また、1冊1冊に、スタッフからのコメントを添えた栞が挟んであります。
ブックカルテ
全国の書店員さんとマッチングし、今の依頼者に寄り添ってくれる本をセレクトしてくれる「ブックカルテ」。カテゴリーごとに設定された書店員を選び、カルテに回答すると、選書リストが届くので承認します。すると本が届くという流れです。約1万円分の本をセレクトしてくれ、料金は税込12,500円です。書店員が哲学、社会科学、アート、児童書、絵本などと言ったジャンルやわくわく、笑える、すっきりと言った気分などでラベリングしてあるのがユニークですね。
アプリ、AI、人力と、様々な「本との出会い」をサポートするサービスをご紹介しました。選書サービスについては、検索するともっとたくさん出てきて、料金設定や対象となる本のジャンルがサービスによって異なります。ぜひこれらのサービスを使って、自分が今まで知らなかった本と出会ってみてください。
そうそう、QUMZINE読者が忖度なしに選ぶ「この1冊」というアンケート集計記事も本との出会いに役立てていただければ幸いです。
フィラメントは、本以外にも様々なことを面白がって新規事業開発をするのに適した人材を育成する企業向けワークショップ「面白がり力ワークショップ」なども開催しておりますので、気になった方はコーポレートサイトからぜひお問い合わせください。
参考情報
・NHKプロフェッショナル 仕事の流儀