「よなよなエール」と「組織のネコナイト」がコラボイベントを開催!元トラリーマン・てんちょがネコたちと大いに語った夜
『水曜日のネコ』を水曜日にネコたちと飲む?
『組織のネコ』における”ネコ”たちが集まり、書籍で紹介された”トラリーマン”たちと好き勝手におしゃべりができた謎のイベント『組織のネコ カンファレンスVol.0.1 〜組織での働き方を問う』から3ヶ月。11月の“ネコの日”こと22日に、また組織のネコたちが集結しました。
今回は「よなよなエール」とコラボレーションイベント。会場となったコクヨ東京品川オフィス1階 THE CAMPUS内コクヨ「Commons」にはヤッホーブルーイングのお馴染み商品である『よなよなエール』や水曜日に開催されたネコイベントにぴったりな『水曜日のネコ』、そして低アルコール飲料『正気のサタン』などが用意されました。
ステージには”がくちょ”こと楽天大学学長の仲山進也さん、”てんちょ”こと元トラリーマンなヤッホーブルーイングの代表取締役社長 兼 よなよなエール“愛の伝道師”の井手直行さん、そして進行の辻貴之さん。参加者はアルコール度数が0.7%と、お酒をあまり飲めない人も楽しめるヤッホーブルーイングの低アルコール飲料『正気のサタン』を手に、まずは乾杯です。てんちょが乾杯の音頭を取りました。
ゲストとして呼ばれたてんちょですが、「このイベントで何をするかよくわからないまま来た」といいます。まずは、「組織のネコナイト」を改めておさらいするところからおしゃべりは始まりました。
辻:2022年2月22日はネコ業界で「スーパーネコの日」と呼ばれていたらしいんですよ。その3日前にデパ地下で便乗したネコがらみの商品がたくさん売られてたのを見たときに、組織の業界でネコと言えばがくちょだなと思って「この日に何かやらないんですか?」と連絡してみたんです。
仲山:その連絡に対して、「何かイベントを一緒にやりますか?」と辻さんに言って、打ち合わせして30分後には申し込みのページができてて、ページをオープンして見たら数十人から申込がありました。
辻:みんながくちょの本を読んで「ネコ同士でつるみたい」というニーズがマッチしたんですよね。
仲山:開始時間が20時で、2時間22分やって終了時間が22時22分。やってみておもしろかったので、「Facebookグループもできたしもうあと3回くらいやってみましょうか」ということになり、毎月22日にZoomで集合することになりました。何回かやってみても毎回十人くらい集まってしまう。それで止め時を見失いましたね(笑)。それで、1周年のタイミングで初のリアル集合をしたところ、盛り上がった勢いで「このメンバーで一緒にイベントとかやっちゃう?」というハナシになりました。それが8月の『組織のネコカンファレンス』です。このイベントでは、司会的強みを持つ人が司会をし、会場的強みを持つ人が会場を提供し、Peatix所属で受付的強みを持つ人が受付業務を行い、事務局的強みを持つ人が事務局運営を行い、パワーポイント的強みを持つ人が進行に必要なスライドを作り、おにぎり的強みを持つ人がおにぎりを握って配りました。一応ルールもあって、それが「自己犠牲禁止」ということです。「自分にとってノーコストと思えるようなことしかやってはいけない」ことにしています。結果、運営コストゼロだったのに、ここ(コクヨ東京品川オフィス)の2階でやったこともあって、お金がかかったカンファレンスにしか見えないものができてしまいました。
井手:(『組織のネコカンファレンス』の写真を見て)すごい。各国の首脳が集まる国際会議みたいじゃないですか。
仲山:でもって今回のイベントの経緯ですけど、ヤッホーブルーイングの低アルコールビール「正気のサタン」を飲むイベント「ほど酔い宴~お酒に強くない人たちの飲み会イベント」がありましたよね。そのイベントで毎日新聞に辻さんが取材された記事を見つけてFacebookにシェアしました。そうしたらコメント欄で辻さんが、「すごく楽しかったんで自分でイベントを開催したいくらいです」と言うので、「じゃあ組織のネコのイベントと合わせますか」となったんですよね。それで「正気のサタン」だけではなく、イベント日が水曜日なのでヤッホーブルーイングの『水曜日のネコ』とも被っちゃう、などとやりとりしているうちに、てんちょからレスが来て(笑)。
井手:イベントのときのFacebookで楽しそうな投稿を見て、その投稿にタグ付けされたか何かで「(イベントの参加)どうですか?」と聞かれて、「行きます!」と応えたら、いつの間にか「てんちょを囲むイベント」と書いてあるホームページができてたんですよね。行かざるを得ない雰囲気になって今日来たんです(笑)。
てんちょはいかにイヌからライオンになったのか
話題はトラリーマンとしてのてんちょの経緯に移りました。
井手:たまたま2年前の昨日に『組織のネコ』を読んだ感想をFacebookにアップしてたんですよね。だから今日この日にイベントに出るということにびっくりしました。自分の場合は、会社員人生の最初はイヌっぽくて適当にふらふら仕事して、気の向くままに仕事や転職をして今の会社で4つ目になります。もともとは一生懸命会社から言われたことをやろうとしてて、イヌの皮をかぶっていたんだけど、本当は組織に忠実じゃないから、そのうちボロが出て、ネコになっていって、我が強いのでトラになって、組織を皆でまとめていくのが楽しくなって、ここ数年はライオンになっちゃっています。
仲山:図で言うと、下から上に逆コの字型に進んでいったということですね。ちなみに、本性はネコなのに、イヌとしてふるまっていることを「イヌの皮をかぶったネコ」といいます。
井手:最初はイヌとしてふるまっていたんですけど、面白くないし合わないのでだんだん勝手なことをやって一人だけ浮いている状態になるんですね。楽天市場が97年5月にできてその翌月にヤッホーブルーイングが入ったんです。それからしばらく開店休業状態になって、2004年に一人で再度やりだしました。社長に黙ってやりだしたんです。責任感に燃えているのでなんとしても成功してやるという気持ちでしたね。そのときのヤッホーブルーイングの社長は創業者の星野リゾートの星野佳路さん。でも本業が忙しくなって全然ビール事業に手もかけられなくなって、つぶれそうになって、一人で勝手にインターネットでやってたら売り上げが上がっちゃって、「お前社長やったらいいんじゃない」という感じで社長になりました。
イヌの皮を脱ぐには?
仲山:「イヌの皮を脱ぐ」とか、「ネコからトラになるプロセス」ってどんなことが必要なのか聞いてみたいですね。
井手:最初サラリーマンをしていたときは、常識に押しつぶされて生きていました。「こういうことをやらなければ社会人になれない」ということを上司から教育されてきました。でも転職しているうちに、そういうのも気にならなくなって、この会社に転がり込んで、それでもちゃんとやってたんですけど、自分のやりたいことがやれないと、我慢ができずついイライラしちゃうんですよね。僕の中学校のときは荒れる中学校みたいな時代だったんですが、それをさながらやってるような。 しかも本人もすでに30歳を超えてるのに。穏やかなときの方が多いんですけど、「お前何言ってるんだよ!!」とか「うるせえ!!」とか言ったりして。そもそも会社の状態も地ビールブームが去ってからずっと悪かったので、自分が大人しくやってると、ダメなんだと思って。でも、なんか自分が思ったことを、もし浮いていたとしても一生懸命やるんです。そうすると、皆もやり始める。一生懸命やって、うまくいくことが増えてくると、常識通りやらずに自分が信じた通りやった方が良いんじゃないかと思うようになるんですよね。そして、だんだんエスカレートすると個性を大事にする会社になるんです。
大きく影響を受けたのは、楽天市場に出店して楽天大学の講座を受けたり、楽天の社長の三木谷さんの話を聞くようになったことですね。三木谷さんは大きな妄想のようなことを打ち立てて、それを順に実現し続けていくのはすごいなと。僕もクレイジーな人や組織と関わるようになって、これまでただの妄想だと思ってたのにそれが現実になってきた。自分の場合はそういう流れですね。
このあとには具体的なエピソードがいくつか挙げられるのですが、いろんな意味で記事化が難しい内容でしたので割愛します(笑)。当日来場された方のみのお楽しみということで…。
いろいろやってみて、強みに気付く
この後、参加者同士がグループを作り、「正気のサタン」や「水曜日のネコ」を片手におしゃべりする時間が設けられました。そして、てんちょやがくちょへの質問タイムです。
ーーネコな人って、自分の得意なことを活かして活躍しているように思うんですが、その得意なことを見つけるにはどのようにしていましたか?
井手:これまでいろいろやってきたので、自分が得意なこととか自分が楽しいことが自分でだいぶわかってきているんですが、最初の頃はまったくわからなかったんです。37歳で初めて一人でインターネット通販をやりだしたんですけど、そもそも自分がインターネットで買い物をしたことがなかったり、パソコンもあんまり触ったことがないような状態でした。当然デザインソフトも使えない。でもそんな中で一番強烈に楽しんでいたのがお客さんとのメールのやり取りです。インターネット自体はそこまで好きではないんだけど、お客さんが喜んでくれるのは本当にうれしいし、喜ばせるために何かやってあげようと思って、自分の中に眠ってた企画という強みが出てきた感じがしています。いろいろやってみると、思ってもみない強みに気付いて、それを繰り返してやっていくうちに、だいぶわかってきたように思います。そして苦手なところは他のスタッフに任せて得意なところは自分がやるようになりました。
このほかにも、ネコたちからいくつか質問がなされ、学びへとつなげていきました。
秘密結社:組織のネコナイト
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