LinkedIn日本代表の“右腕”が語る、エグゼクティブ・アシスタントな私の生き方 ~金井由香里さんインタビュー~(1/2)
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LinkedIn日本代表の“右腕”が語る、エグゼクティブ・アシスタントな私の生き方 ~金井由香里さんインタビュー~(1/2)

みなさんはエグゼクティブ・アシスタントをご存知でしょうか?日本で一般的にイメージされる日程調整や出張手配などのような秘書業務は、エグゼクティブ・アシスタントの仕事内容全体の2~3割ほど。では、その他の仕事内容とは・・・?
今回は、村上臣さんのヤフー在籍時からLinkedIn日本代表に至る現在もエグゼクティブ・アシスタントを務める金井由香里さんにインタビューを決行!仕事内容から外資系企業でEAとして働くことの難しさ、そして、金井さんと村上さんならではの働き方までお伺いしました。(文/QUMZINE編集部、土肥紗綾)

LinkedInに転職するまでのキャリア

QUMZINE編集部(以下、Q):本日のゲストはLinkedIn Executive Assistant(エグゼクティブ・アシスタント。以下、EA)金井由香里さんです。
早速ですが、EAとはどのようなお仕事なのでしょうか?

金井由香里(以下、由香里):EAは、日本で一般的にイメージされる出張や会食の手配をする秘書とは少し違って「ビジネスパートナー」という感じです。

出張や会食の手配は業務全体の2〜3割ほどです。残りの7〜8割は、担当している村上のミーティングに同席したり、各ステークホルダーと細かいやり取り(根回しや情報収集など)や世界中に居るEA達との情報共有をしたり、宙に浮いて手付かずになっている業務を拾うなどしています。
決まったルーティンというよりは、毎日発生するさまざまな仕事に対応しています。

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Q:LinkedInに入社されるまでのキャリアを教えていただけますか?

由香里:村上に会うまでは、別の上場企業(IT関連)で監査役4名の秘書をしていました。そこで学んだ秘書のイロハの一部は今でも役立っています。そこで担当していた方が任期満了を迎えることになり、転職を考えはじめました。

転職活動をする中で村上と面接をしたのですが、面接40分のあいだ、ちゃんとこちらの目を見て話してくれたことがすごく印象に残っています。「この人は私に仕事を任せてくれそうだな」というのが第一印象でした。
当時担当していた方はガラケーを使っている方でしたし私自身もITが得意という訳ではなかったので、イケイケのITの人(当時のヤフーChief Mobile Officer)を担当するというのは、ちょっと不安な部分もありました。
でも、「僕は拠点も多いし(当時、Y!Mobileも担当していたのでYahoo!のある六本木だけでなく汐留や大阪など)、出張が多いけど、もらった連絡には必ずすぐ返信するから安心してね。」と言われて安心できたし、この人と一緒に仕事をしてみたいなと思いました。

Q:村上さん、とても返信が早いですよね。面接を経て合格後、ヤフーに入社されたんですか?

由香里:それが、ヤフーからオファーをいただいたあとに、担当していた監査役の方が任期を延期することになったんです。それで、泣きながら転職活動していたことを報告しました。
そうしたら、「あなたがいなくなることは悲しいし、あなたみたいな人はもう探せないと思うけどあなたがもっと羽ばたく姿を見てみたい!あなたなら胸を張って送り出せます。いってらっしゃい。」と快く送り出してくれたんです。

「日程調整だけをするために入社したわけじゃない」

Q:ヤフーに入社されて、村上さんとお仕事をされるとどうでしたか?

由香里:村上は自分で何でもできるので、私自身は「日程調整や経費精算をするためだけにヤフーに入ったわけじゃない」と悩みました。
周りの人からは「村上さんはなんでもできるから手がかからなくていいね」と言われていたのですが、それがプレッシャーでした。

期限を決めて自分の価値を見出せなかったらやめようと思って、自分から動いて仕事を探すようにしました。「この人は何が好きなんだろう」「どうしてほしいんだろう」と理解するために観察しようとしたのですが、事前に聞いていたように出張が多くて対面の機会もあまりなくてメールのやりとりばかりで。だから、1回のメールでどうやってわかりやすく簡潔に伝えられるかを考えました。
村上と同時に、直下の本部長4-5人の担当もしていて、直下の部下を見る機会があったので結果的に村上が何をしてほしいかを考えることができました。

Q:相手の立場に立って何が必要かを考えるときのコツはありますか?

由香里:たとえば、長文のメールを読み終わったけど何を返事したらよいかわからない・・・という状態にさせてしまうよりも、返事や判断がしやすい短くてわかりやすいメールを送った方がよいといった感じですかね。

私は時間に対するセンシティブさが人より強いんだと思います。自分の判断や余分な作業のせいで「村上の時間を無駄にする」というのを避けたいと思っています。

村上さんと一心同体!?オフはある?

Q:村上さんと一心同体になってお仕事をされているイメージなのですが、休日などオフはあるのでしょうか?

由香里:もちろん土日祝日はお休みで、ボスが休みのときは自分も休みです。ただ、私も村上も”Work as Life”なので、生活と仕事の境目が曖昧になっていることについてあまり違和感はありません。

私の場合で言うと、友だちと遊んでいるときに仕事のことは考えないけど、ふとしたときに頭の中に村上や仕事のことを考えている感じです。何かを見たことをきっかけに「仕事でこれを伝えよう」と思いついてメモをするみたいな意味ではずっと仕事のことは考えています。特にストレスはないですね。

Q:ストレスのない範囲で生活に仕事が溶け込んでいるというのは、由香里さん自身が経営者に近いマインドなのでしょうか?

由香里:私自身が経営者気質というよりは、先ほどの「常に相手の立場に立つ」なのかなと思います。「どうされると嬉しいか?」「どうしてほしいか?」を考えて過ごす相手が経営者だからなのかもしれませんね。

ちなみに、連絡がつかなくて困るということが起こらないように、なるべく互いにスケジュールを共有しています。私が組んだ村上の仕事スケジュールはもちろん把握していますが、LinkedInの仕事以外のスケジュールも共有しているので、いつ連絡していいかの検討がつきます。

ほかには、平日朝晩にTeamsをするのをルーティンにしています。もともと隣同士に座って仕事していたので、コロナ前と変わらない仕事環境に近づけるために、お互い空いている時間帯は無言でTeamsを繋ぎっぱなしにして仕事をすることもありますね。

先ほどお話ししていたスケジュールを他人に公開するのってちょっと抵抗あると思うんですが、日程調整をするときにこちらがわからないプライベートの予定があると予定は組めません。とは言え、スケジュールをまかせるのは不安な人の気持ちもわかります。
たとえば、クレジットカードや保険証、印鑑まで預けたりしたらいくらでも悪いことはできるので。任せる人も任せる人で大変なんだろうなと思います。
任せる方も任される方にも試行錯誤が必要で、お互いに必要以上に踏み込まなければ大丈夫だろう・・・となると、うちのパートナーシップは特殊なのかもしれません。みんながそうなればいいとは言わないけど、こういう任せ方任せられ方もあるんだなと知ってもらえたらいいですね。

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外資系企業でEAとして働くということ

Q:ヤフーからLinkedInに移られてみて、外資系ならではの仕事の難しさはありましたか?

由香里:よく言われる言葉と文化の違いは感じました。言葉と文化が違うと考え方も違うので、バックグラウンドから説明が必要だったりします。
ただ、LinkedInが大事にしているバリュー(価値観)に「Be open, honest and constructive.(オープンで正直で建設的であろう)」というものがあって、村上も私もすごく共感しています。従業員同士が楽しく働ける環境を本気で作ろうとしている会社です。

LinkedIn本社のEAはボスの代わりに出張に行ったり会議をリードしたりしています。こういう代理で出張も行くみたいなパートナー関係は、日本企業というよりもアジア圏全体でまだ理解がされていないと思っていまして、シンガポールでもEAはサポート役というイメージが強いと感じることもありました。

村上の出席するミーティングに参加したり代理で連絡をするということが多いですが、「なんで秘書なのにミーティングに参加してるの?」と言われることもあります。何回かミーティングに参加してその仕事が終わったあとに、「だからミーティングに参加していてくれたんですね。こういうことだったんですね。」と言ってもらうこともありますし、伝わりきらないときもあります。でしゃばりとか監視ではないのですが、それは周りからは理解されにくいなと思います。

Q:村上さんの分身のように村上さんの仕事を把握されていると思うのですが、由香里さんの時点で仕事の判断ができる部分もありますか?

由香里:情報共有や事前確認を欠かさないことで私が即答できることも少なくありません。あとは、「こういう感じで返しておきますね」「うん、よろしく」で完結する場合もあります。必要があれば、「あとこれも伝えておいて」みたいな感じで。

ある部分の権限移譲もあって、そこが秘書のイメージと違う部分かなと思います。仕事のサポートをするというのは当たり前で、EAに求められているのはその次の部分をプロアクティブにやっていけるかということだと思っています。
ただ、プロアクティブに動く部分については、担当しているボスが求める具合によって変わって来ると思います。私の場合は、村上に「空気を読むプロだよね」と言われてすごく嬉しかったことがあって、村上と仕事をしていく上で空気を読んだりプロアクティブに動くということは大事だと思っています。

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【プロフィール】

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金井由香里(かない・ゆかり)
リンクトイン(LinkedIn)エグゼクティブ・アシスタント

カナダNB州の大学を卒業後、フレンチレストラン立ち上げのためヨーロッパへ遊学。スペイン・フランス・ドイツ・イタリアで経験を積む。 大手商業施設のコンシェルジュ、東証一部上場企業監査役の秘書として実績を積み2014年10月より村上臣の役員秘書としてヤフー株式会社入社。2018年3月より現職。10年以上の役員秘書の経験を元に、その枠を越えて様々なステークホルダーの意思と意図を汲み取るプロフェッショナルとして活躍中。

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