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入山章栄氏がフィラメントの顧問に就任! その思いを語っていただきました。(2/3)

フィラメントにWBS教授の入山章栄氏が顧問としてジョイン! 
QUMZINEでは、さっそく入山氏に緊急インタビューを敢行。日本のイノベーションをアカデミックから牽引する入山氏が、一体フィラメントのどこに「面白さ」と「可能性」を感じたのか? CEO角勝と宮内俊樹がお聞きしました。

宮内:多くの日本企業がオープンイノベーションに取り組み始めていますが、なかなかうまくいかないという声も聞かれます。フィラメントなら、それをこんな風に解決できるんじゃないかといった考えはありますか?

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入山:やっぱり一番大きいのは「心理的安全性」ですね。フィラメントが提供できる価値はそれだと思います。

僕は「トップ起業家との対話」という授業を毎年やっていまして、僕の周りにいる本当にイっちゃっている起業家や面白い経営者に来てもらっています。理論はいいから、パッションだけを伝えてもらう授業です。面白かったのが、そこに出ていただいた日立研究所の前所長・矢野和男さん、YeLL(エール株式会社)の取締役になられた篠田真貴子さん、そしてサイボウズの青野慶久社長。3人ともなんの打ち合わせもしてないのに、話してくれたのがまったく同じテーマだったんです。それが「心理的安全性」でした。

角:すごい偶然ですね。

入山:篠田さんが役員をやられているYeLLって、コーチングのスタートアップです。相手の話を聞く、つまりは心理的安全性が大事なんですよね。そしてAIで人間のハピネス度を計測する研究をされてきた矢野さんも「ハピネスとは心理的安全性なんだ」みたいにおっしゃっていました。そして青野さんは「サイボウズとは心理的安全性の組織なんだ」と。硬直化した企業と、そうじゃない企業の最大の差はそこにあると個人的には思っています。

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角:確かに何かアイデアを言った時に、ネガティブな意見を言われたり怒られたりしたら、丸まった無難なアイデアしかでてこなくなりますよね。

入山:よく分からないけれども、「とりあえず面白いですね」って言えるのはすごい大事です。フィラメントが出せる価値はそれで、実際コンサルティングするときにもそうやっているんだと思います。

角:僕は、とりあえず褒めるのがわりと得意ですね。

入山:イノベーションってこの世にないものを生み出すんだから、大抵は変なアイデアなんです。それをいかに否定せず、受け止められるかが重要です。僕は最近よく講演で、「なるほど」ってすごい便利な日本語だから、みんなもっと使いましょうって言ってるんです。これは英語にはできない。強いて言えば「I see」だと思うんですけど、ちょっとニュアンスが違いますよね。「なるほど」って日本語は、本当に関心していても「なるほど」って言えますけど、この人は何を言っているんだろう?という場合でも、とりあえず「なるほどー!」って言うと、なんとなく場が成立するんです。

だからいいイノベーターや面白い場をつくる人って「なるほど」って言葉を使いますし、角さんも宮内さんもそうだし、フィラメントってのはそういう組織なんだろうって思っています。

角:すごくよく分かります。うちは「面白がり力」といいまして、これはCSOでLinkedIn日本代表の村上臣さんの命名なんですけど、とりあえず面白がってみるというカルチャーがありますね。

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入山:「面白いですね~!」ってとりあえず言った後で、なぜそれが面白いかという理由をでっちあげられる人がフィラメントにはきっと多いですよね。

角:ストーリーを後づけするのは、僕はだいぶうまい方ですね(笑)。浜カフェに出演したときにも思いましたが、入山先生は確かに「なるほど」とよくおっしゃられますし、その後に「それはつまりこういうことですよね」って、ご自分の視点で咀嚼した言い換えをされますよね。それがすごく納得感あります。

入山:確かに、それは僕は得意かもしれないですね。

角:あれはもう日本の話芸ですよ。

宮内:NHKの番組かよ(笑)。

入山:この前、浜カフェに「みんな電力」の大石英司社長に出てもらったんです。その時にも「みんな電力のやりたいことって、電力のブランド化ってことなんですね」と言ったら、「そうなんです!!」って。そのフレーズ、そのまま使っていいですか?みたいな話題になりました。

角:言語的なセンスもあると思うんですけど、本質の理解がすごいんですよね。

宮内:フィラメントが入山先生に期待することは、そこですか?

角:そう。フィラメントは分かりにくいって話をしましたけど、君たちの価値はこれだよって言語化して、それをほかの人にも伝えることをお手伝いいただけるとすごくうれしいですね。

入山:これからの時代って、わけの分からない組織の方が面白いんです。以前ビジネスインサイダーですごい読まれたインタビュー記事がありまして、これからの時代は “「何をやっているかわからない」企業と個人こそが強い” っていう内容でした。

角:それ、読みました。

入山:変化が激しい時代って、訳の分からないほうが多様性があって強い。それから『世界標準の経営理論』でも散々書いていますが、野中郁次郎先生の「知識創造理論」「SECIモデル」はこれからの時代に絶対必要になってくると思います。

角:暗黙知の形式知化、ですね。

入山:一番端的な例でいうと、コマツの「スマートコンストラクション」。ICTを活用した新しい施工ソリューションで、今の日本で最高のイノベーションの一つだと思います。あれをつくった四家さんという方にお話しを聞いたことがあります。

当時の社長が新規事業を考えようということで、四家さんは死ぬ気で考えて。ふと思いついてポンチ絵をメモに書いたそうです。「いまのコマツはバリューチェーンのこの部分をやっているけれど、これからは一気通貫で全部をやらなきゃ駄目なんじゃないか」といった感じで、本当にそれだけの絵なんですよ。それを社長のところに持っていって「これじゃないですか?」と言ったら、「それだ!!」って。

そこでまさに「共感」があふれたんですね。野中理論では、まず暗黙知が形式知化されることによって、共感が増してサイエンスになる。それで事業化が始まったわけですが、この世にまだないビジネスアイデアだから、まず最初にやったのが名前をつけることで、それで「スマートコンストラクション」ってつけた。つまり暗黙知の形式知化というのは、そうやってまず共感から生まれて、絵になって、次に名前がついて、形式知化していくということです。さらにその次にどうしたかというと、これをステークホルダーや従業員に説明しないといけないから、ショートムービーを作ったそうです。

角:映画ですか。

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入山:きっといろいろなやり方がありえるし、小説でも漫画でもいいと思うんですけど、コマツの場合はショートムービー。もう十何年前に撮った映像ですが、いまだにつくりたいものがまったく変わっていないそうです。

角:よっぽどブレないものが最初から見えていたんですね。

入山:だから多分フィラメントも、今は宮内さんや佐藤さん、渡邊さんがいる時点で、もう言語化されていない「共感」は絶対あるはずで。それがもしかしたら図になるのか言葉になるのか分からないですけど、いつかは広く形式知化される。それこそ「フィラメント」という会社名が一般用語になるのかもしれないですよね。「それ、フィラメントしていない?」みたいな。

角:素晴らしい、何度も言ってほしいです(笑)。ググる、みたいなことですよね。うちの佐藤さんが昨年noteに書いた記事が、まさに「新しいことにはまだ名前が付いてない」でした。たしかにそういう人たちが集まっている気はします。

入山:フィラメントのCAOを元レノボ・ジャパン社長の留目真伸さんがやられていますが、留目さんのSUNDRED株式会社「新産業創造スタジオ」も、まさに同じですよね。産業の名前が「ユビキタスヘルスケア」みたいに、いまはまだない概念だから、とりあえず名前をつけましたといった感じがします。

角:すごい面白いネーミングですよね。留目さんはまさに盟友ですから、いつもいろいろな相談をしていますけど、入山先生も加わっていただけると僕らの気づきもどんどん増えていきます。本当にありがたい。

入山:とんでもないです。


(続編は近日公開予定!)

1/3はこちら

3/3はこちら


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【プロフィール】

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入山 章栄 (いりやま・あきえ)
早稲田大学大学院経営管理研究科
早稲田大学ビジネススクール 教授


慶應義塾大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所で、主に自動車メーカー・国内外政府機関 への調査・コンサルティング業務に従事した後、2008 年 に米ピッツバーグ大学経営大学院より Ph.D.(博士号)を取得。 同年より米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクール助教授。 2013 年より早稲田大学大学院 早稲田大学ビジネススクール准教授。 2019 年より現職。Strategic Management Journal」など国際的な主要経営学術誌に論文を多数発表。著書に「世界標準の経営理論」(ダイヤモンド社)、他。 テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」のレギュラーコメンテーターを務めるなど、メディアでも活発な情報発信を行っている。

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