1分で読める!|【変化に対応する】世界情勢と事業|新規事業お悩み相談室 ー第81回ー
“挑戦を楽しめる人と組織をつくる 企業変革の伴走者”株式会社フィラメントです。フィラメント公式YouTubeチャンネル Powered by QUMZINEでは毎週水曜日に『新規事業お悩み相談室』を配信しています!
本記事では、新規事業お悩み相談室@YouTubeを、1分で読めるダイジェスト版としてお届けします。
❓世界情勢の不確実性を見据えたエネルギー事業の次なる一手
💬相談員たちの回答:
角:本日のお悩み相談室は、蛯原さん、フィラメントCOO田中さん、そして私フィラメントCEO角でお送りいたします。ご相談は「世界情勢の不確実性を見据えたエネルギー事業の次なる一手」についてですね。未来がわかれば誰も苦労しませんよ〜とちょっと言いたくなるようなご相談ですが、まずは蛯原さんからお願いできますか。
蛯原:非常に解像度が高いご質問で、すでに商社さんとして取り組まれていらっしゃるのかなという分野ですと、事業としては新規事業として模索されてるということですかね。なので、相談者であるCさんの方が専門家でお詳しいであろうというのを前提にしつつ、さりとて、スタートアップであったりテックの潮流であったりをミクロやマクロな視点から見ているという観点からお答えをしたいと思います。
まず、「グリーン産業に注力すべきか」にストレートにお答えします。明らかにグリーン産業はグローバルにはスローダウンしています。たとえばEVの売り上げは相当頭打ちになっていて、世界各国、EV先進国である中国ですらそんなに売れてない現状があって、日本は言わずもがなですね。また、こういうグリーンテックっぽいものを組み入れたESGファンドも全然売れていません。あとは、スタートアップの資金調達を見ると、この分野の資金調達は激減しています。「でもなんとなくクライメートテックとか流行ってるし、 せいぜいトントンぐらいじゃんじゃないの」といった印象とは異なり、現状としては激減しているんですよね。ということで、かなりブレーキがかかってます。
で、とどめになっているのが、Cさんがお書きになってるようにアメリカの今回の選挙ですよね。トリプルレッドになっていて、先日、エネルギー庁長官にクリス・ライト氏が任命されました。この方は石油産業側の方です。民主党のハリス氏は、「環境破壊だから全面廃止すべきなんじゃないか」みたいな意見でしたが、このライト氏は過去の発言の中では「環境危機はこの世に存在しない」って言い切ったこともあります。この方がエネルギー関連を司る庁の1番偉い人になるということは、そういうことですね。
角:なるほど…。
蛯原:現政権(バイデン政権)は100兆円ぐらいの再エネに対する予算をつけて施行したので、結構バブルっぽい要素を呈してるんですけど、少なくともこれからは逆になるということです。少なくとも今までのモメンタムは強烈に逆に振れてるってことは間違いないと思いますし、それを先取りしてるかどうかはともかくとして、スタートアップの資金調達額も如実に減っています。なので、ご質問にあえてスタートアップ視点で答えるとするならば、再エネというかクライメートテック系と既存の安定エネルギーのバランスを取られることも考える局面じゃないでしょうか?というのが答えになりますね。
角: グリーン1本でいくのはやめておこう、今そんなタイミングじゃないぞ。ということですよね。
蛯原:そうですね。グローバルな商売をしてらっしゃると思うので、1本足ではなかなかリスキーだと思いますね。
角:でも、バイデン政権の頃からでも反ESG的な兆しみたいなものはあったってことですよね?
蛯原:ありましたね。特にそういった産業が盛んな州では「再エネ再エネって言って、レガシーである既存の石油産業をいじめるな」ってなっていたので、そういう兆しはこの1〜2年あったんですよね。とどめが今回の選挙だっただけで。
角:今の蛯原さんのお話でかなり片が付いた感じもありますが、ぜひ田中さんにもお聞きしたいですね。
田中:商社勤めのCさんと蛯原さんを前に国際情勢を語るなんてことはできないので、一般論としてお話をさせてもらいますね。まず1つ、 どうやって安定・成長するかということで言うと、当然、一点張りよりは複数でバランスを取ったりリスク分散をしたりっていうのが安定につながると思います。ただ、エネルギー関係ですと投資の金額もすごく大きいと思いますので、「全方位的に少しずつ投資をして何が来ても大丈夫」という状態にするのは、ものすごく資金やリソースが必要になりますので、なかなかそれは難しいところあるでしょう。
そこでもう1つの答えとして、たとえば今回、トランプ氏まわりやウクライナ情勢など世界情勢がどんどん変化しています。だからこそ、今後もそれは起きるっていうのを受け入れる。つまり起きたことに対してどう対応するか、起きそうな兆しをいかに早く掴むか。そういったリソースのかけ方を変えていって、いかに柔軟に早く対応していくかに全力を注ぐ。そういう、マインドセットの変化やスキルを身につけていって、柔軟な事業構造に変えていくっていうのも重要なことなんじゃないかなと思います。
角:それで考えると、ポートフォリオをどう組むかっていうことも1つですし、「時代の変化によって大規模なエネルギー事業なのに転換を強いられるかもしれない」みたいな前提条件に立った上でどうやって進めていくかみたいなことが求められるってことですかね。
田中:そうですね。天然ガスも、ロシアのほうで開発されていましたけど戦争になったから撤退しなきゃいけないんじゃないかといった圧力も非常にあると聞きます。そういったこともありえるよねってことを今後は考えて、起きた時にはこうしようっていう手を最初から織り込んでおく必要があると思います。
角:この数年間でのこう、世界情勢の変化と言ったらすごいですもんね。
蛯原:そうですね。さっきのわたしの発言で誤解があったらあれなのでちょっと付け足します。世界情勢の変化だったりブームみたいなものは盛り上がったり盛り下がったりと変化はあるんですけど、基本的に再生エネルギーといった流れがなくなるわけではありません。現状として、ものすごい赤字を深く長く掘るのはちょっと厳しいよってなってるんですけど、一方でディープテックはもう盛り上がっていて、資金調達もはかどっています。社会的要請も非常に強くて、たとえばエネルギー分野では、核融合・バッテリー・エネルギーマネジメント系の新素材は強いニーズがあります。だから「本物はむしろ輝く」っていう時代でもあるので、「既存のレガシーor新しいもの」という軸だけではなく、本物か否かっていうのが当たり前っちゃ当たり前になっています。
角:たしかに、核融合の話とかは、AIが電力を食うから電力需要が爆伸びしているみたいな現状を踏まえてもやっぱり求められていて、そういう意味ではエネルギーの分野は確実に伸びていくので、ポートフォリオは色々気にする必要はあるけど、自信を持って事業を進めてほしいという側面もあるのかなと思いました。 世界情勢と一言で言っても読みにくいですけれども、Cさん、ぜひ今日の議論も参考にしていただければと思います。
📝回答のまとめ
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