コロナ禍におけるオンライン秘書事情 〜オンライン秘書、頼む側/頼まれる側それぞれに向き不向きはあるのか?〜
ダイヤモンド・オンラインの記事でも取り上げられているように、テレワークの普及にとともにオンライン秘書需要が高まっているようです。
オンライン秘書の方にサポートされる人は大変安心して本業を遂行できるのではないでしょうか。1人ですべての仕事をこなすのではなく、それぞれが得意分野を担当していくという働き方がもっと広がっていくと良いなと思います。オンライン秘書というお仕事を解き明かすインタビュー後編、お楽しみください。(文/QUMZINE編集部、土肥紗綾)
コロナ禍による仕事の変化
QUMZINE編集部(以下、Q):コロナ禍になってからオンライン秘書のお仕事に変化はありましたか?
小川:大きな変化はないですね。
オンラインmtgやオンラインイベントが増えたことで、調整方法や確認事項は前よりも多くなりました。一方で、オンラインに移行したことで、会議室など場所の確保や移動に関する業務は減りました。
Q:今となってはテキストコミュニケーションのほうがやりやすいと感じるようになったと伺っていますが、オンラインでやりとりすることの難しさやこうしたらいいのにと思うことはありますか?
小川:突然、何かの案件のグループスレッドに入れていただいたり、何度かやり取りをしているメールの途中でCcに入れていただくときは、すぐに状況がつかめないので難しいなと感じることはあります。
「これは何の案件のスケジュール調整ですか?」「謝金などのお金が発生する業務ですか?」と質問をたくさんしなければいけなくなるので、いちばん良いのは、私の担当している方に企業から仕事の依頼が来てそれに返信する最初の1通目でCcに入れていただけると説明をしてもらう手間が省けるかなと思います。でも、基本的にはその人のやり方に合わせることが大切だと思っていますね。「ここのタイミングからオンライン秘書の人に入って欲しい」っていうそれぞれのペースがあるはずなので。
人それぞれペースがあって、スケジュール調整とは別の話ですが、たとえば、予定と予定のスキマ時間が1時間ほしい人とそうでない人がいらっしゃったりするので、なるべくそういう相手のペースを崩さないようにしています。
Q:オンライン秘書の収入について教えて下さい。
小川:現在は月給制です。社外の方のオンライン秘書を始めるときは、フィラメントの給料を時間換算して月12~13時間で●万円という感じでやっています。
人に任せるのが上手い人とそうでない人への対応
Q:どういう人がオンライン秘書を利用するといいでしょうか?
小川:やはり、まず思いつくのは「人に任せるのがうまい」ということです。私がオンライン秘書を担当している伊藤羊一さんは、もともとヤフーでも秘書の方がついていたそうなので仕事を任せることに慣れているのだと思います。
オンライン秘書が必要なほどの仕事量だけど、オンライン秘書に仕事をお願いするのが苦手という方ももちろんいらっしゃいます。
人に任せることに慣れていない方は必然的にオンライン秘書の仕事量が少なくなりますが、お給料は月額でいただいているので、「今月はオンライン秘書としてこれくらいのお仕事をしています。今現在のお仕事のほかにも、お仕事のメールのやりとりに私をCcで追加してくださいね。」という感じで状況報告をしています。
フィラメントの角さんは仕事のやり取りをしているメッセンジャーグループなどに常に私を追加するようにしてくれているので、やり取りの途中で「では小川さん、スケジュール調整お願いします」と言う感じでスムーズにスケジュール調整などの仕事を引き受けることができています。なるべく、「スケジュール調整よろしく」と頼まれる前に仕事を自分からこなしていくようにしているので、メッセンジャーグループやメールでCcに追加してもらえると色々対応がしやすいなと思います。スケジュール調整が必要になる手前の段階を把握できているといろいろと巻き取りやすいです。
Q:オンライン秘書のやりがいはどのような部分でしょうか?
小川:担当している方からの「ありがとう」がいちばんうれしいですね。
スケジュール調整などをしていると1つ1つの時間のズレが怖いなと感じます。私のミスが上司のミスになってしまうので。その分、きっちりスケジュールをして、いろいろな方々と仕事のやり取りして、無事終わるとホッとします。
オンライン秘書に向いている人はどんな人?
Q:オンライン秘書はどのような人が向いていると思いますか?
小川:表に出るのが得意な人は、オンライン秘書の業務だけに集中できないのではないかなと思います。
細々した作業が得意な人がいいかもしれないですね。サポートが好きな人、人のためになにかしたい人には向いていると思います。あと、LINEなどで即レスするのが得意な人のほうが向いてるかもしれません。スケジュール調整は即レスが大事なので。得意な人はたくさんの方の担当が可能かと思いますが、私の場合たとえば追加であと5人となると難しいので、対応できる人数の限界があると思います。
あと、オンラインなのでどこにいても仕事可能ではあるんですが、私は大阪在住なので東京の駅構内の移動時間の見立てが難しいです。以前、担当している方の東京での移動スケジュールを、大阪の駅移動の感覚でスケジューリングしたら、乗り換えに予定より時間がかかってしまい遅刻させてしまったことがあります・・・。そこから移動が伴う場合は余裕を持った時間管理を気をつけるようにしています。
Q:今後、オンライン秘書のほかにやってみたいことはありますか?
小川:そうですね。サポートする側という立場で、これからさらにたくさんのことを任せられるようになれたらいいなと思います。あと、調整業務だけではなく、最後までの巻き取りができるようにしておきたいので、財務や法務分野の勉強をしたいですね。
Q:ますますオンライン秘書としてのスキルが上がっていきますね!
今日はたくさんのお話を聞かせていただきありがとうございました!
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小川さんが秘書を務める伊藤羊一さんご本人に「実は今度オンライン秘書としての小川さんをQUMZINEで取材をすることになったんですよ」とお伝えしたところ、快くコメントをくださいました!
伊藤羊一さん
「行動予定は、その時の忙しさやコンディションによって、入れられるキャパが決まってきます。面談か、講演か、リアルかオンラインか、によってももろもろ変わってきます。
小川さんとは、現状やこの先につき、こまめに状況をすり合わせながらマネジメントしていただけるので秘書不在の頃に比べ、正確さに加えてコンディションの側面からもストレスはゼロになり、さらに頭のキャパシティが広がります。」
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【プロフィール】
小川英恵(おがわ・はなえ)
(株)フィラメント エクセレントアシスタント
島根県益田市出身。 金融系事業会社から2017年に入社。主に総務経理・秘書業務等のバックオフィス全般を担当している。特に秘書業務については、フィラメント社外のエグゼクティブの業務サポートもこなすエキスパート。 また大手IT企業にも在籍するパラレルワーカーでもある。 リモートワークと出張が多く、他のメンバーがオフィスに不在になりがちなフィラメントにおける「扇の要」的存在。 得意分野は笑顔。魚座A型。