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実はこうやってます!QUMZINE流インタビュー記事執筆の方法「秘伝のタレ」

QUMZINEはビジネスの第一線で活躍されているビジネスパーソンのインタビュー記事を読むことができるのが魅力です。そんなインタビュー記事はどのように制作されているのでしょうか。今回は、これまでインタビュー記事の執筆を試行錯誤して行ってきたQUMZINE編集部が、どのように少ないリソースで記事作成をしているのか、その裏側をお見せします。(文・写真/QUMZINE編集部・永井公成)


QUMZINEでは、運営元である株式会社フィラメントのネットワークを活かしたインタビュー記事を公開しています。

多くは、Zoomでの会議を録画してそれを基に記事に仕上げているのですが、QUMZINE編集部のメンバーはほぼインタビュー記事の執筆経験が皆無でした。具体的なやり方や手法に関するノウハウがなかったため、最初はえらく時間がかかってしまったりしましたが、それぞれが独自に試行錯誤して少しずつ経験値を増やし、リリースする記事の質を上げています。

そんな中、各メンバーが作業の中で蓄積してきたインタビュー記事執筆のノウハウ(=つまり、「秘伝のタレ」)を社内で公開し、「自分はこのようにやっている」とシェアする試みが行われました。本記事ではその場で共有された、インタビュー記事執筆のおおよその作業工程について公開します。

録画・録音音声の書き起こし

Zoomの録画や対面インタビューの録音を、AIツールを用いて書き起こしします。以前はクラウドソーシングサイトで毎回発注していましたが、速度やコスト、利便性の観点から専らAIツールを使用するようになりました。AIツールはいくつか試してみましたが、今のところ「LINE Clova Note」が暫定的に一番使いやすくて良さそうです。現在は、オープンベータ期間中ということで、毎月300分無料で使うことができます。

実際に文字起こしをした画面

LINE Clova Noteの書き起こし精度は、完璧とは言えないまでも、それをもとに記事化の作業をするなら十分、といったところです。むしろ、書き起こしの精度よりも「、」や「。」を付加してくれる機能や、自動で話者を識別してくれる機能、書き起こしの文章をクリックすることでその箇所の音源を聞くことができる機能がとても便利だと感じています。

ちなみに、LINE Clova Noteの書き起こしには1ファイル当たり180分までの制限があります。長時間のイベントから記事を作成する場合など、180分を超える場合は予め音源を分割したり不要な部分をカットしておく必要があります。フリーソフトなどもありますが、「Online MP3 Cutter」等を使うとアプリをインストールする手間が省けるので楽です。

書き起こしから話の流れを把握する

まずは書き起こしを一通り読んで、話の流れをつかみます。
この時、声を基に話者の名前を変更しておくと後が楽です。

トピックごとに分けて仮の小見出しを付ける

話をトピックごとに分け、仮の小見出しを付けます。この仮の小見出しは、内容を把握するために書くもので、読者が読む記事の小見出しは後ほど付けなおします。

トピックを取捨選択

トピックを眺めて、記事として面白いと感じるものを取捨選択します。トピックを記事化する際は並べ替えることもあります。たいていの場合は、文字数制限より長いため、文字数に合わせて大胆にカットすることもあります。

ケバ取りしながら修正

LINE Clova Note上で、採用部分のみケバ取りしながら、書き言葉に修正したり、情報を補足します。また、不要な部分を消したいのですが、全ては削除できないため、いったん「@」などの文字に置き換えます。「@」に置き換えた文字は、エクスポート後に一括変換で消去します。LINE Clova Note上でこの作業を行うことで、指定箇所のオリジナルの音源をすぐに聞いて確認できるというメリットがあります。

「ケバ取り」とは?

「ケバ」とは、話している時に発せられる意味のない言葉です。「あー」「えー」「あのー」のような言葉です。AI書き起こしだとこれが乗ってしまうことがあるので、削除する必要があります。

ケバ取りもChatGPTに任せる?

書き起こしのケバ取りもChatGPTにお願いすることで時短できます。
LINE Clova Noteで書き起こした文章をエクスポートし、部分的にChatGPTにペーストしてケバ取りをお願いすると、それっぽい文章が出来上がります。プロンプトにもよるかと思いますが、すこし内容を丸めすぎてしまう傾向がありますので、これをもとに編集していくイメージです。右がLINE Clova Noteでエクスポートした文章で、左がChatGPTによるケバ取りです。

左:ChatGPTでケバ取りした文章、右:LINE Clova Noteでエクスポートした文章

エクスポート

LINE Clova Noteでの書き起こしをテキスト形式でエクスポートし、Google ドキュメントにペーストします。記事の執筆はGoogleドキュメントで行い、完成して関係者チェックを経てnoteプラットフォームに流し込みをしています。Googleドキュメントのコメント機能を使って関係者チェックによる修正依頼を把握するためです。

不要部分の一括削除

LINE Clova Noteで不要部分を「@」にしているので、エクスポート後に一括変換で削除します。

編集作業を行う

トピックごとに流れが自然になるよう、順番を入れ替えます。
改めて通しで読んでみて、読者が読むことを意識した小見出しをつけます。

そして、対談として不自然にならないように適切な相槌を付けます。
相槌や文末で同じワードが連続しないように適宜変更したり、情報量が不足している場合は言葉を補います。

この時点で文字数が多すぎる場合は大胆に削除!!QUMZINE編集部の記事では、5千字程度を目指して8千字程度に収まることが多いです。

仕上げ

リード文や、タイトルを作成します。
タイトルは、ChatGPTに候補案を出してもらうこともありますが、そのままは使わず、参考程度にします。

以下は試しにChatGPTに作ってもらったタイトルですが、なぜかChatGPTは「:」をタイトル中に使いがちです。

「新店舗運営の裏側:予想外の課題と意外な成長」
「1年間の店舗経営で学んだ挑戦と成果」
「学生が経営に挑戦:地域とのつながりがもたらす価値」
「ビジネスの現場で学ぶ:店舗運営で得た経験と課題」
「多様な顧客層を目指して:オフィスワーカーから学生まで」

「:」を使わないように指示したり、文字数を指定するなど、追加の指示を出すと、タイトルを作るにあたってのヒントが得られます。

ちなみに、ChatGPTはnoteを知っているようで、ChatGPT的には以下の条件が良いタイトルと認識しているようです。(これが正しいかどうかはまた別の問題です)

写真を選択して本文の適切な箇所に追加します。写真によっては明るめに修正することもあります。Zoomインタビューの場合はZoomのスクリーンショットを使います。

最後に、記事内容のイメージに応じたカバー画像を作成し、文末にプロフィールを入れて初稿が完成です。

見直し・推敲

関係者チェックに回す前に、再度読み直します。誤字がないか、変な言葉や変な文のつながりがないか再度確認します。

確認フェーズ

まずは編集部内で原稿を確認し、Googleドキュメントのコメント機能で修正部分を指摘してもらいます。何度確認しても誤字脱字を発見してしまう不思議……。複数人で何度かチェックをすることをおすすめします。その後、インタビュー相手先に7営業日程度でチェックいただきます。
その後noteプラットフォームに流し込み、記事がリリースとなります。

まとめ

以上が、QUMZINE編集部のインタビュー記事執筆の秘伝のタレです。
AI書き起こしやChatGPTなど、最新技術を適宜活用しながら、少ないリソースでなるべく早く記事を仕上げるために日々試行錯誤しています。これが編集手法として最適かどうかはよくわかりませんが、フィラメントのポリシーにもある「可視化とシェア」の精神に則り、ノウハウを社内外にシェアしてよりよい手法を見つけていきたいと思っています。

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