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1分で読める!|【可能・不可能を明確に】インバウンド向けクレーム対応のポイント|新規事業お悩み相談室 ー第76回ー

“挑戦を楽しめる人と組織をつくる 企業変革の伴走者”株式会社フィラメントです。フィラメント公式YouTubeチャンネル Powered by QUMZINEでは毎週水曜日に『新規事業お悩み相談室』を配信しています!
本記事では、新規事業お悩み相談室@YouTubeを、1分で読めるダイジェスト版としてお届けします。


❓インバウンド向けツアーにおけるクレーム対応のポイントと見落としがちな注意点

https://youtu.be/V44Y7-CQl3A

相談の背景や理由:当社は国内専業の旅行会社として、社員旅行や一泊のバスツアーを提供してまいりましたが、今後はインバウンド向けの国内ツアーにも注力していかなければ、事業がしぼんでしまう懸念があります。現在、インバウンド特有のクレーム対応について情報収集を進めていますが、文化・言語の違い、期待とのギャップからのクレームが発生しやすいと聞いています。予期せぬトラブルを防ぐための見落としがちなポイントや、効果的な対応策について、ぜひご教示いただければ幸いです。

💬相談員たちの回答:

https://youtu.be/V44Y7-CQl3A

角:本日のご質問は旅行業界Bさんから、「インバウンド向けツアーにおけるクレーム対応のポイントと見落としがちな注意点について」です。 まずは村上さんからお聞きしてみたいと思いますが、いかがでしょうか?

村上:ご質問と直接関係する経験はないんですが、色々なダイバーシティのある環境下・多国籍のチームで働いている立場からなにかアドバイスできるかなと思って、ちょっとお話したいと思います。 

まず、国によってカルチャーの違いがあると思うんですけど、特に日本と欧米とか他のアジアの国と比べたときによくあるのが、直接ちゃんと話す/話さないっていうところがあります。要するに、日本の接客マニュアルってまず「申し訳ございません」って謝るんですよ。で、これって別に常に申し訳ないと思っているわけではなくて、まずは謝罪から入って落ち着いてもらって本題を聞くみたいな形じゃないですか。

角:そうですね。

村上:これは他の国、中国でもインドでもアジアでも、特に欧米とかも、あんまり見ない形ですよね。要は、クレームって言っても向こうは交渉の始まりっていう認識というのが多くて、文句を言っているというよりはそれを取っ掛かりにして有利な条件を引き出したり交渉したり、接客の場合だとオマケをもらいたいとかディスカウントしてほしいとか、なんかワンチャンあるかなみたいな。

角:なるほどな。

村上:それに対していきなり謝っちゃうと、非を認めたということで相手が有利な立場になっちゃうわけです。本当にこっちが悪くて申し訳ないっていう場合でも、とは言え全部タダにはできないですとかあるじゃないですか。なので、真正面からちゃんと受け止めて話すっていうのが多分ポイントで。

こちら側ができる/できないこと…って言ってもスタッフさんの教育とかが難しいとは思うんですけども、 「最終的に落とし所はココ」みたいなところについて現場に裁量がないとかあるじゃないですか。 なので、「こういう場合はこう」みたいなケースを集めて、社内でコンセンサスを作っておくのは1つのポイントだと思いますね。

角:今のお話聞いてて印象に残ったのは、ネゴシエーションの可能性を探して声をかけたみたいな雰囲気をこっちはクレームとして捉えてるみたいなところですね。

村上:そのクレームをきっかけにしてほかの要求を通そうとするのもよくあると思いますね。落ち度をレバレッジして、他のことに飛び火して、よりベネフィットを得ようみたいな。なので交渉なんですよ。

角:外資系の企業でマネージャーとかをやると、今みたいな状況に上司の方がなったりすることってあります?

村上:ありますね。だから直接は関係ないと思いますけども、やっぱり「チームで働く」っていうことは「やってほしいこと」「これはちょっとめんどくさくてやりたくないん」っていうことがあるわけで、どうしても交渉ってのは発生するわけですよね。マネージャーの場合は、「でもこれはこれあなたの仕事だよね」と伝えて拒否される場合は「じゃあわかった、これはやめよう」みたいな話し合いというか会話はよくあります。

角:今のお話を聞きながら、2000年代前半くらいの関西人は家電量販店で必ず値切ってたのを思い出してました(笑)。これも多分、現在の令和の時代にちょっとカルチャーが違うところでやるとクレームを言ってるみたいに見えちゃうかもしれませんね。
「ネゴシエーションの可能性を探して声をかけている」という認識が頭にあるだけでも、多分対応が全然違ってくるんだろうなっていうのはすごく思いましたね。個人的にはすごく納得感が強かった回答でした。蛯原さんはいかがでしょうか?

蛯原:今の村上さんの話を聞いてて思ったのは、逆に日本人って全然クレームや意見を言わないなというところですね。すごく個人的な体験なんですけど、海外に家族旅行に行ったら「フライトがキャンセルになったから翌日早朝までフライトがない」って言われて、他の日本人の皆さんは黙って言うことを聞いてたんです。「それはちょっとしんどいから、ホテルでも用意してよ」って言ったら、僕らだけホテルが用意されていたという経験があってですね。逆の立場から見れば、日本人はめっちゃ静かで外国人にとっては御しやすい旅行者なんでしょうね。

あともう1つよく言われるのが、ハイコンテクスト・ローコンテクストなんですけど。日本人とか要するに言わずもがなのものはハイコンテキスト、全部言わなきゃわかんないがローコンテクストです。 
会社経営も、外国人同士の旅行におけるコミュニケーションもそうですけど、全部言う(ローコンテクスト)と言わずもがな(ハイコンテクスト)の外国人同士が円滑にコミュニケーションがとれるわけないじゃんって話ですよね。

村上:ビジネスの場でも、たとえば「今週中に届かなくちゃいけないパッケージが遅れそう」みたいな時に、「なるはやで善処してよ」って通じないですよね。「オッケーオッケー!わかった!」って言うんだけど絶対来ない(笑)。「XX月XX日XX時までに手元にないと絶対に違約金を請求するぞ。お前でダメなら上司を呼んでこい。コミットするのか?プロミスするのか?」みたいにグイグイ詰めて言質をとらない限りは予定通りに物が届かないってのはよくあります。

蛯原:我が社も毎日ですよ。「XX日までにって言わなかったじゃん」とか言って。

村上:「いやいや、それは知らないよ。聞いてないよ」みたいな感じですよね(笑)。

角:なるほど。そもそもの文化の違いがめちゃでかいってことなんですね。

蛯原:そうですね。だからなるべく書けるものは全部書いた方がいいかもしれないですね。旅行の規定とかにも全部。

角:ちょっと話の流れからちょっとずれるかもしれないんですけど、Googleマップのお店の評価って日本だとクレームを書きたい人が多くて、一方で海外の人はなんか普通に良かったことをバンバン書き込んでいたりしますよね。やっぱ文化とか経験の差みたいなものがそうさせるんですかね?

村上:「言語化して伝える」ということをどう捉えてるかだと思うんですよね。 海外だと良いことも悪いこともお店に伝えるのが良い人であるって感じなんで。日本の場合は、良いと感じたことを伝えるってのはあんまりしない文化が多分あると思うんですよね。多分ハイコンテクストなので言語化して書くことのハードルがすごい高くて、そこを突き抜けるのがよっぽど腹が立って怒った時って話なんですかね。

角:そういったクレームを言う経緯も含めて、海外の方との認識の違いがあるのかもしれないですね。いやあ、面白いですね。
旅行業界のBさん、クレームに見えるかもしれないけどそれはクレームじゃないかもしれません。 そういう文化的な背景を理解して、クレームかどうかというところから問うてみるのがいいかもしれませんね。

 蛯原:見過ごしがちな注意点を2つだけ!1点は食事です。ベジタリアン対応やハラル対応が重要な国が東南アジアとかインドとかに多いので、その辺りに対応ができていなくて「食べられるものがない!」っていうクレームにならないように気を付けていただきたい。もう1点がビザです。 意外とビザがおりるまで時間がかかる国もありますので、せっかくBさんの旅行会社さんに申し込んだのにビザが間に合わなくていけませんっていう人が出てこないように。この2点が典型的によくあるパターンなので、ぜひ注意点としてお気を付けください。

角:ありがとうございます。文化的な話からリアルなこれ気を付けてねというところまで、広く網羅していただけたかと思います。 旅行業界のBさん、是非参考にしていただければと思います。 

📝回答のまとめ

1.インバウンド向けツアーのクレーム対応における文化的背景:
・日本と海外の接客スタイルの根本的な違い(謝罪文化 vs 交渉文化)
・クレームを単なる苦情ではなく、交渉の機会として捉える海外の視点
・言語化と明示的コミュニケーションを重視するローコンテクストの文化
・暗黙の了解を重んじる日本特有のハイコンテクストなコミュニケーション方法

2.クレーム対応の実践的ポイント:
・文化的背景を理解した柔軟な対応
・明確な交渉の落とし所の事前設定

3.食事(ベジタリアン・ハラル対応)とビザ取得の事前確認

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今回ご紹介した内容は、以下のリンクから動画で視聴できます。
本記事では要約をお伝えしましたが、テキスト化できなかった部分もありますので、回答のフルバージョンをぜひ動画でご覧ください。

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