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1分で読める!|【マーケットサイズが重要】スケーラブルな収益構造|新規事業お悩み相談室 ー第74回ー

“挑戦を楽しめる人と組織をつくる 企業変革の伴走者”株式会社フィラメントです。フィラメント公式YouTubeチャンネル Powered by QUMZINEでは毎週水曜日に『新規事業お悩み相談室』を配信しています!
本記事では、新規事業お悩み相談室@YouTubeを、1分で読めるダイジェスト版としてお届けします。


❓スケーラブルな収益構造の構築と改善策の模索

https://youtu.be/RZz_7rh_KTw?si=z0-2yI1IAjlyZhfU

相談の背景や理由:電機メーカーの新規事業部門に所属し、新しい技術を活用してコインランドリーで収益を上げるビジネスを構想しています。しかし、上層部からは、このビジネスはすぐに頭打ちになるのではないかとの懸念が示されています。理解を得るために改善策を模索中です。現在、コインランドリーの客単価は把握しており、さらなるスケールアップを目指して、コインランドリー内での飲食の無人販売など、スケーラビリティの高いアイデアを検討しています。このようなシンプルなビジネスモデルにおいて、リピーターの獲得や追加サービスの提供など、複数のマネタイズポイントをどう整理・最適化すればよいか、アドバイスをお願いいたします。

💬相談員たちの回答:

https://youtu.be/RZz_7rh_KTw?si=z0-2yI1IAjlyZhfU

角:電気メーカーCさんから「スケーラブルな収益構造の構築と改善策の模索」についてご相談ですね。コインランドリーってだいぶ増えましたよね。まずは蛯原さんから新規事業やビジネス一般の観点からお話をしていただきましょうか?

蛯原:一般論の前にですね、質問者さんは上層部から「このビジネスはすぐ頭打ちになるのではないか」という懸念を示されていますよね。そして、それに答える形で改善策を模索されてるということなんですけども、これは「 改善策を模索してほしい」と言っているのではなく、「コインランドリーというニッチな 領域を選ばないで、もうちょっと大きい領域を選んでくれないか」ということを上層部の方は言いたかったのではないかっていうのが私のファーストインプレッションです。多分私が上司だったらそう言ってるかもしれないです。我々、ベンチャーキャピタルとか企業家も、真っ先に気にするのは対象とする市場です。今回対象としている市場は直感的にあんまり大きくないだろうなと思いますよね。

一方で、よく私も出させていただくピッチイベントだと、ナラティブとしては「(マーケットが)小さいと思うでしょう?でも、実は…」と言ってから「何千億円です!」ってバーンと数字を出すというものがあります。コインランドリー市場でもそういった伝え方ができる現状があるならばそれを実際に見せるのが良いのかなと思います。

もう1点だけ言うと、スケーラブルか否かという話は、基本的には戦術でありビジネスストラクチャーの話です。なので、人海戦術ではなく、マスにスケールしていくという話ですね。たとえば、SaaSのようにストックビジネスであれば、1回チャーン(*)さえしなければ積み上がっててスケールしていくとか、あるいは売り上げが伸びても同じようにコストが伸びていたらしょうがないのである程度を越えたら利益が出るとかっていうことです。でも多分、今言ったことは今回の議論のポイントではないのではないかなって気はしました。

*チャーン(churn)
顧客が継続利用を前提としたサービスを解約したり、有料会員から無料会員にダウングレードしたりすること。

角:今のフリであそこまで語れるってほんとすごいです。たしかに最初にご指摘があった、「コインランドリーという市場自体がちょっと小さすぎるんじゃないか」ってところだなと思いましたね。それに対しての把握の仕方がちょっとズレてたみたいなところがある気がします。 「いやいや、違うんです!数字、実は大きいんですよ!」っていうのが出せたらもちろんいいですし、伸び率がこんな伸びてるんですよみたいなものもあってももちろんいいかもしれないです。その辺のエビデンスは欲しいですよね。 
では村上さん、続けてお願いいたします。

村上:一般的な話はまさにそれで、このチャンネルでもたびたび話題に上がっている「新規事業の期待値を把握しましょう」って話ですよね。要は10億のビジネスを作るのか、100億のビジネスを作るのかによって向かうべき道が異なりますよねってことです。

というところで、先ほど蛯原さんが仰っていた部分がいちばん重要で、この相談を見ていても、コインランドリーで収益を上げるときのお客さんが誰なのかちょっとよくわかってないです。コインランドリーオーナーに対してサービスを提供してビジネスをするのか、コインランドリー自体を形成しようと思ってるのかがまだちょっとわかんないんですよね。コインランドリービジネスって、いわゆる不動産オーナーや地主さんがサイドビジネスとしてやる、要は入居者管理とかもいらなくて余っているスペースをうまく利活用して収益を上げるための副業みたいな形が1番多くてですね。なので最近だと、物件として10〜20坪ぐらいのものをトランクルームにするのかコインランドリーにするのか、もしくは商業エリアの店舗として貸すのかみたいなところがあります。

最近はコインランドリーブームみたいなものがあるので新規参入で投資する人もいるんですが、問題は初期投資が大きい割にあんまり月商が稼げないんですよね。

角:そうなんですね。

村上:新規で物件を借りて初期投資をしてまわそうとすると、なかなか数字が合わないビジネスではあります。 かつ利益率もかなり低いので、たとえばコインランドリーオーナーに対してビジネスをしようとすると利益は本当に小さいと思います。あと、コインランドリービジネス自体をやろうとすると、たとえば社員寮とかを含めた不動産物件をたくさん持っているなら話は別ですけども、コインランドリーとして始めようとするとかなりの初期投資が必要になります。なので、諸々考えるとなかなかハードな道のりです。

角:なるほど。なんか村上さん、1回リサーチしたんじゃないかってぐらいの情報量ですね!

村上:そうですね。実は一度リサーチをしたことがあります。僕、不動産好きなので。

角:今の村上さんの話を聞くと、ぐぅの音も出ないというかかなり厳しいなと思いますよね。回収できるまでに時間がかかってしまうし、電機メーカーの強みもどこまで活かせるのかなっていうところもありますよね。

村上:そうですね。最近、コインランドリー業界で話題の企業がありまして、全国FC展開もしてるんですけども。東京界隈では「Baluko Laundry Place」というおしゃれコインランドリーとしてやっている会社さんがあるんです。代々木や下北とかを中心に店舗があって、ドラマのロケ地になったりして、おしゃれでかっこいい海外製のいいマシンを入れてカフェが併設されています。モンベルと提携してコインランドリーでアウトドアウェアのメンテナンスができる「モンベル撥水コース」をやったりとか、ちょっと変わった展開をしてる企業さんがあって、面白いなと思って調べたことがあるので若干解像度が高めなんですけども(笑)。

角:質問者さんも「Baluko Laundry Place」を見て思いついたりしたかもしれませんね。でも、じゃあ「Baluko Laundry Place」さんがどれぐらい儲かってるかといったあたりを調べていくと…という話ってことですね。

村上:そうですね。ただ、フランチャイズだと思うので、実際のオーナーさんがどれぐらい利益を上げてるかはちょっとわかんないですけども。

角:一見、魅力的に見えるかもしれないけれど、「実際に参入してちゃんと儲かるのかどうかの数字をしっかり弾いてみた方がいいですよ」ってところに尽きるんでしょうね。その上で数字で説得していくことが手段として可能なのかといったあたりの模索になるのかなと思います。その上で、トータルサイズを踏まえたリピーター獲得といった部分が、上層部の人たちの納得を得られそうか?といった話に思えてきましたね。電機メーカーCさん、ぜひ参考にしていただけたらと思います。 

📝回答のまとめ

1,コインランドリービジネスの市場規模と成長性の再検討:
・上層部の懸念は市場の小ささと成長の限界に関するものである可能性が高い
・市場規模や成長率に関する具体的なデータを提示し、ビジネスの潜在性を示す必要がある

2,ビジネスモデルの明確化と収益構造の分析:
・コインランドリーオーナー向けサービスか、直接運営かを明確にする
・初期投資の大きさと月商の関係、利益率の低さを考慮した収益構造の分析が必要
・電機メーカーとしての強みをどう活かせるかを検討する

🎬回答を動画で視聴する

今回ご紹介した内容は、以下のリンクから動画で視聴できます。
本記事では要約をお伝えしましたが、テキスト化できなかった部分もありますので、回答のフルバージョンをぜひ動画でご覧ください。

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