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1分で読める!|【拠点設置の目的で判断する】地方企業 東京拠点設置|新規事業お悩み相談室 ー第72回ー

“挑戦を楽しめる人と組織をつくる 企業変革の伴走者”株式会社フィラメントです。フィラメント公式YouTubeチャンネル Powered by QUMZINEでは毎週水曜日に『新規事業お悩み相談室』を配信しています!
本記事では、新規事業お悩み相談室@YouTubeを、1分で読めるダイジェスト版としてお届けします。


❓地方企業の新規事業部門 東京拠点設置を巡る賛否

https://youtu.be/1gltkM572q4

相談の背景や理由:地方の総合商社で経営企画を担当しています。当社は地方に本社を構え、グループ連結で社員数約5000人です。現在、新規事業として全国向けWEBサービスを計画し、新規事業部門のみ東京に設置する案を検討しています。東京は国内最大のマーケットであり、営業支社やパートナー企業が集まるためビジネス推進に有利と考えていますが、私は東京勤務の経験がなく正直リアリティのあるイメージがつかめていません。社内では、東京賛成派と、開発メインであればコストを抑え地方運営を望む声が対立しており、客観的な視点からのメリット・デメリットの整理とアドバイスを求めています。

💬相談員たちの回答:

https://youtu.be/1gltkM572q4

角:本日のご質問は総合商社Aさんから「地方企業の新規事業部門 東京拠点設置を巡る賛否」についてのご相談です。今我々3人の中で東京にいる人って村上さんしかいないので、村上さんにお聞きしてみましょうか。

村上:どうも、東京の村上でございます。これって東京に限らず、拠点を検討する時の観点がいくつかあります。まず1つが、今回の相談にも書いていただいているように、商圏としてお客さんがそこにいるからアプローチしやすいよねというところですね。特に営業ですと、まだまだフルリモートよりも対面やハイブリッドでやる方が多いと思います。そういう意味で言えば、いわゆる営業拠点としてお客さんの近くにいるのは意味があります。

ただ、それも商材によるとは思います。今、地方本社で事業を500人の社員でやられてうまくいってるわけですから、そういう意味だと別に今のチャネル使えば全然アプローチできるよっていうんであればなくても全然構わないと思います。

もう1つは開発拠点という話ですが、タレントがそこにいるかどうかっていうことですよね。外資だとそのエリアにどれぐらいソフトエンジニアの層がいるのか?要は、採用のチャネルとしてそこに拠点があった方が人が採用できるという観点からそういった拠点の選択をすることが多いんですよね。たとえば最近で言うと、AIのタレントはやっぱりシリコンバレーに多いよねみたいな、そこにこの拠点がないと採用がそもそもできないみたいな話があると、そこに拠点を作る意味が出きます。一方で、フルリモートの会社が減ってきていますよね。ちょうど先日もAmazonが週5出社を義務付けますというニュースもありました。グローバルテックって週3出社が義務ラインで、あとの月金はどっちでもいいよみたいなハイブリッドだったんですけども、Amazonは全部戻すということですね。やっぱりカルチャーを守るためにはそっちの方がいいみたいな話が出てきています。そうなってくると、逆にフルリモートを求めるエンジニアってまだまだ多いんですよね。

角:なるほど。

村上:なので、地方本社でエンジニアが欲しいのであれば、「うち全然フルリモートでいいんですよ」という形で逆にその強みが出せる可能性があります。もし人材獲得が拠点設置の主目的なんだとすると、必ずしも拠点を設置する必要はなくて、うまく今の環境を使うという選択肢もあると思います。なのでまとめると、拠点に何を求めているかを社内でしっかりと考えることがファーストステップなんじゃないかなと思います。

角:たしかに採用大事ですもんね。 ばっちり整理していただきましたけども、蛯原さんはいかがですか?

蛯原:たぶん海外に置き換えるとわかりやすいと思うんですが、外資が日本市場獲得のために日本に拠点を置きますって言った時に、はっきり言って東京以外の選択肢ってないじゃないですか。

角:なるほど。

蛯原:まあ、ほぼ100%東京ですよね。たとえば東南アジアで展開するときはシンガポールが多いんですし、インドネシアの場合はやっぱりジャカルタなわけでスラバヤとかメダンということはないわけですよね。一方で、製造業ですと、市場を獲得するためじゃなくて製造拠点(土地)を作るためであれば、タイだと首都のバンコクではなくチェンマイとかです。だから、市場を取りに行くのか、物を作ったり人材を採用したりするのかという部分を明確にすることが必要です。

ご質問を見ていると、全国向けのwebサービスをやりたいってをおっしゃっています。あともう1つ、よくグローバルビジネスで言われるのは「とにかく(獲得すべき)マーケットにいなさい」ということです。あるいは、経営者がいないのであれば、そのマーケットを知っているそのマーケット育ちの人をちゃんと採用して、その人に責任をもってやらせることっていうのが基本中の基本です。やっぱり全国にということであれば、全国をカバーし、かつGDPでも人口でも関東ってのはもう3割4割いるわけですから、 必然的にやっぱ東京になるんじゃないかというのが答えなんじゃないかなと思います。

角:ご質問の中にも「地方に本社を構えているが、新規事業としては全国向けのwebサービス」ってはっきり書かれていますもんね。だとすると、マーケットをちゃんと歪みなく捉えて、どういうものが必要とされてるのかを把握しようと思ったら、マーケットに1番近いところに行って生の情報がすぐ吸収できるポジションにいるのは非常に大事だってことですかね。

蛯原:そうですね。あと、ちょっと矛盾することを言うかもしれないですけど、具体的にどういうサービスなのかっていうところで、たとえばエンタープライズ向けのSaaSであればやはり東京が1番お客さん多いでしょうからっていうこともあるでしょうし、あと純粋なコンシューマーってことで言うと、もしかしたら地方であっても東京であっても生活習慣に違いがなさそうな分野であれば、必ずしも東京じゃなくてもいいのかもしれません。分野にもよります。

角:総合商社っておっしゃっているので、どういう事業されているのかは文脈だけでは分かりかねますね。まずはご自身の会社の事業の内容でこれから始めようとされている全国向けのwebサービスのマーケットの1番の中心ポイントがどこなのかを考えた上で、ご判断っていうことなのかなっていうことでしょうか。

蛯原:そう思います。

角:お二人の回答が非常にロジカルに整っているかなと思います。非常に回答、整っているかなと思います。まず、採用のために益があるのか?マーケットの中心になっているのか?この2点をお考えになって、社内の議論を誘導されていくといいんじゃないかなと思いました。ぜひ、参考にしていただけたらと思います。

📝回答のまとめ

1,東京拠点設置の主な検討ポイント:
・商圏としての重要性:顧客へのアプローチのしやすさ
・人材獲得の可能性:エンジニアなど必要な人材の採用のしやすさ
・マーケットの中心地:全国向けサービスの場合、最大の市場である関東圏へのアクセス

2,拠点設置の必要性を判断する要素:
・既存のビジネスモデルの有効性:現在の地方拠点で十分対応できているか
・提供するサービスの性質:エンタープライズ向けSaaSかコンシューマー向けか
・リモートワークの可能性:フルリモート体制で人材獲得が可能か

3,グローバルビジネスの視点からの考察:
・市場獲得が目的の場合、主要都市(東京)に拠点を置くのが一般的
・製造拠点や人材採用が目的の場合、必ずしも主要都市である必要はない
・マーケットを熟知した人材の採用・配置の重要性

🎬回答を動画で視聴する

今回ご紹介した内容は、以下のリンクから動画で視聴できます。
本記事では要約をお伝えしましたが、テキスト化できなかった部分もありますので、回答のフルバージョンをぜひ動画でご覧ください。

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