コロナ禍で自販機が超進化!今までになかったジャンルの自動販売機を面白がってみる
コロナ禍が長引き、飲食店などで対面での販売を避けたい、時短営業の影響を和らげたいといったニーズを踏まえ、これまでになかったジャンルの商品が無人販売や自動販売機で登場し、話題となっています。
筆者の近所にも、いくつかありましたので撮影してきました。
まずはマスクの自販機。
西新宿のビル街にありました。マスクとウェットティッシュが缶ジュースに混じって売られているという、実にコロナ禍の社会らしい自販機です。出先でマスクが破損したとか、つけてくるのを忘れてしまった時に少量買いたいという場面では使えそうですね。あと、表示の通り本当に冷たいなら夏には買った直後の少しの間は快適かもしれません。
そして冷凍ラーメンの自販機。こちらも西新宿に設置されていました。2021年7月設置されたとのことでつい最近ですね。4店舗の人気ラーメン屋の味が楽しめるようです。冷凍餃子も販売されており、価格は全て1000円で揃っていました。
続いてはうどんの自販機。うどん県として知られる香川県の高松市にあるうどん屋「愉楽家」に設置されています。かけうどんやカレーうどんなど様々な種類のうどんが300〜500円程度で販売されていました。半生タイプの麺とのことで、調理が必要となります。90日保存がきくようですのでお土産用に良いのでしょう。なお、こちらは2019年9月に設置されていたようで、特にコロナ禍によって登場したわけではないようでした。
また、以前QUMZINEで取材したクラフトコーラ『伊良コーラ』も渋谷のMIYASHITA PARK内の自販機に商品を卸していました。あまりたくさんの場所にあるわけではないので、これもまたユニークな自販機と言えるでしょう。
また、今年に入ってからコロナ禍になって設置された珍しい自販機が多くメディアで紹介されています。国内に設置されている自販機のうち、今年になってから報道されているものの中からいくつかをまとめてみました。
食品
・冷凍カキフライ、冷凍生食用殻付きカキ、生食用活き締め車エビ(広島市中区・長崎屋)
・冷凍ホルモン(岡山市北区・金川食品)
・冷凍餃子、ラーメン(名古屋市港区・ラーメン屋「一刻魁堂」港店他)
・コーヒー豆(名古屋市東区・イトウ珈琲商会)
・和菓子の看板商品(上越市稲田・かなざわそう店舗)
・焼き芋(熊本市東区・農福産業)
・手羽先、焼き鳥(天草市・居酒屋「ヤキトリマン」)
・ホルモン煮込み、豚足(熊本市北区・居酒屋「西乃里」)
・クレープ(加古川市・クレープ専門店「うみそらカフェ」他)
・馬刺し(長野県・馬肉製品専門店)
・イクラ(東京築地・海鮮丼店)
・冷凍エビフライ(佐賀・エビフライ専門店)
・インスタント盛岡冷麺(岩手)
・パスタソース、ドレッシング(三島市広小路町・イタリア料理店「パステリア地中海」)
・ドライフルーツ(札幌市西区・ドライフルーツ専門店「モモカーゴ」)
・冷凍ジンギスカン、冷凍肉(合鴨肉、馬肉のユッケ、日高牛サーロイン)、ジンギスカンのタレ(小樽市銭函・伊藤肉店)
・パクチー関連商品(千葉県八千代市)
他に、ステーキ、冷凍ケーキ、おかき、コロッケなど
食品以外
・ネイル用品(広島市西区・ネイルサロン「イツカキットデザイン」)
・PCR・抗原検査キット(長崎県大村市・鮮鼓堂大村支店)
・マスク(名古屋市内の駐車場など)
非常にバラエティ豊かな品揃えになりましたが、なかでも冷凍ラーメンの自動販売機に関する報道は多く、様々なラーメン店が自販機を出しているようです。
報道によると、店舗側は自販機を設置することで、
・24時間稼働でき、飲食店の時短営業要請による影響を緩和できる
・コロナ禍の中食需要を満たす
・飲食店の人手不足解消、人件費などのコスト削減
といったメリットがあるようです。
また、自販機を設置するにあたって、導入時にコストが発生しますが、コロナ禍での新たな取り組みを支援する補助金を活用することでその削減を図っている販売店もあるとのことです。
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の期間が長くなり、飲食店が時短営業を要請される中、24時間非接触で販売できる自動販売機は、今後も様々な事業者が参入していくとみられ、しばらく話題は続きそうです。
ちなみに、いろいろなことを面白がってみるのがQUMZINEを運営している株式会社フィラメントです。企業のチームビルドのために「面白がり力ワークショップ」なども開催しておりますので、気になった方はコーポレートサイトからぜひお問い合わせください。
参考文献
・「いつ食べたくなっても大丈夫! 「うどん自動販売機」が登場 香川」(KSB 2019/9/26)
・「コロナ禍に脚光、味な販売機 かきフライ/ホルモン/マニキュア」(中国新聞デジタル 2021/4/13)
・「[断面]ギョーザやラーメン・コーヒー豆…コロナ禍の飲食自販機反響「想定の2倍近い売り上げ」」(読売新聞オンライン 2021/7/17)
・「ワンオペ店主の相方にも? ステーキも売る冷凍自販機「ど冷えもん」」(Forbes JAPAN 2021/6/26)
・「【動画】コロナ禍の妙案! 上越銘菓「出陣餅」が自販機で購入できます」(上越妙高タウン情報 2021/7/20)
・「焼き芋、豚足…変わり種自販機に注目 コロナ禍で外食控え」(熊本日日新聞 2021/6/5)
・「自販機の中からクレープ コロナ禍で苦しむ店主の名案」(朝日新聞デジタル 2021/6/24)
・「お店の味を冷凍自販機で コロナ禍の飲食店が新ビジネス」(朝日新聞デジタル 2021/7/22)
・「コロナ禍で活躍!自動販売機」(NHK NEWS WEB 2021/6/23)
・「コロナ禍の不安に 「PCR・抗原検査キット」自販機設置 鮮鼓堂大村支店」(長崎新聞 2021/7/6)
・「コロナ禍をチャンスと捉えて、普段やらないことを… 自販機でパスタソースを販売し大成功 静岡・三島市」(LOOK 2021/2/20)
・「「肉の自動販売機」が誕生…“ジンギスカン”も コロナ禍の新販売モデル」(北海道ニュースUHB 2021/6/6)
・「クセが強すぎ!?「パクチー自販機」想像以上の人気」(2021/7/19 テレ朝news)
・「広島に「カキフライ」の自動販売機 生ガキ、車エビも販売」(2021/2/11 広島経済新聞)