リモート環境でも組織内のつながりが弱くならないための5つのアイデア
リモートワークがメインになって、組織内のコミュニケーションがガラッと変わりました。
仕事仲間とやりとりするにもテキストによるコミュニケーションが必須で、ZoomやTeamsなどで仕事の打ち合わせはできても、何気ない会話の機会はありません。ここで危惧されるのが、リモートワークが続くにつれて組織内のつながりが弱くなっていってしまうのではないかということです。
実際に、NTT サービスエボリューション研究所、NTT コミュニケーション科学基礎研究所が行った『在宅勤務が職場の関係性及びメンタルヘルスに及ぼす影響』と題された研究では、「つながりの強い同僚との間では、新しくインフォーマルなコミュニケーションツールを導入・活用したり、会議の前後に短い雑談をしたりすることで、強いつながりを維持していたものの、つながりの弱い同僚との間では、従来からあるフォーマルなコミュニケーションツールを使用したり、雑談が全くなくなったりすることで、つながりがさらに弱くなった」という指摘をしています。
雑談や適切なツールを取り入れることができれば強いつながりは維持されていたものの、つながりの弱い間柄だとさらにつながりが弱くなったということです。
リモートワーク環境で社内のメンバーと満遍なくつながりを維持し続けるためには、なんらかの工夫が必要のようですね。今回は、リモートワークでも組織内のつながりが弱くならないような5つのアイデアを集めてみました。
フィーカ
リモートワークが続くと、社内で雑談をする機会が減ります。ZoomやTeamsでテレビ会議をすることはあっても、基本的には打ち合わせの内容のみが話され、何気ない雑談はないがしろにされがちです。
そこで、雑談を行う時間をあらかじめ決めておき、参加を非強制とすることで、わざわざ打ち合わせの時間を取るまででもないことの情報共有や参加者の近況を知ることができます。QUMZINEを運営しているフィラメントでは、時間に余裕がないときを除いて1日30分間時間を確保しています。
また、時折社外のゲストもお呼びして雑談することもあり、ご本人の許可を得て記事にすることもあります。
スクラップボックスで社内ナレッジを共有
以前QUMZINEで掲載した『入社してすぐリモートワークになった新入社員に、実際はどう感じているか根掘り葉掘り聞いてみました』では、ネットプロテクションズの村山さんが社内ナレッジの共有方法として『スクラップボックス』という仕組みを活用していると教えてくださいました。
村山:リモートワークになって、口頭でのコミュニケーションがすごく減りました。社内には「スクラップボックス」というツールがあり、ここにナレッジを残そうという動きが活発化しています。もし、出勤してわからないことがあるたびに先輩社員に聞き、他の新入社員も同じようにしていると、その分の質問回収時間が必要となってしまいます。誰かが聞いた内容をナレッジとして残すことで、社内に情報が蓄積され、聞かなくても検索さえすれば答えが見つかるようになります。
(中略)
スクラップボックスにはほぼすべての業務に関するナレッジが溜まっていってます。他の部署の業務について知りたいことがあった時は、スクラップボックスで業務の議事録を探して、詳しそうな人を探したりしています。会社で発生している業務のほぼ全ての議事録がスクラップボックスに入っているので、事前にそこで発言内容を把握してから担当者に質問をしにいくということもありますね。また、自分とは全然関係ない議事録も見にいったりしてます(笑)。
仕事をしていてわからないことがあった時に、人にすぐ尋ねるのではなくスクラップボックスを見ればわかるという共通ルールを作っておくことで、尋ねる側も尋ねられる側も時間短縮ができます。
ネットプロテクションズではコロナ禍となる前からそうしたルールがあったようですが、この仕組みがコロナ禍となった今になって非常に便利に活用できているようですね。
1on1
ダイヤモンドオンラインによれば、ヤフーは2012年から1on1を重要視してきました。1on1は「部下のための時間」と規定され、上司と部下が原則週1回30分間ミーティングを行い、人材育成に活かしています。
『ヤフーの1on1』の著者である本間浩輔さんは同記事内で、「信頼感を醸成するには、まずは、対話の頻度を増やすことが重要」「特に上司側は、ツールを使って積極的なコミュニケーションを図るべき」と述べています。上司と部下との対話について、「聴く」ことにスポットを当てたこんな記事もQUMZINEにありました。
オンライン懇親会
コロナ禍となって、仕事仲間との飲み会が実施されなくなりました。その代わりに「オンライン飲み会」「オンライン懇親会」が登場し、オンライン飲み会専用フードボックス「nonpi Foodbox」など新たな商品も登場しました。
株式会社じげんのオウンドメディア「Overs」によると、同社が半期に一度開催している、全国の社員が一堂に会する懇親会をオンラインで開催したところ、120名が参加したとのことです。ブレイクアウトルームや動画の配信、社員のプロフィールに関するクイズといったバラエティコンテンツなどを用意し、9割を超える参加者が「満足だった」と回答したとのことです。
オンライン飲み会の途中で飽きられたりしないように、企画担当者がコンテンツを用意すること、事前に参加者が参加できるかテストすることが重要のように感じました。
チームビルディングに「面白がり力強化プログラム」を
社内のつながりを強めるために、各社員がお互いのことを知ることのできるオンラインイベントを企画するのもいいアイデアだと思います。
QUMZINEを運営しているフィラメントは、「面白がり力強化プログラム」というユニークなワークショップを展開中です。「面白がり力」とはいろんなものに興味をもって、おもしろがって妄想してみる、そのことに時間を使うのを楽しく感じる力と定義しています。
新規事業開発をするためにはイノベーションが必要ですが、イノベーションとは既存のものや概念同士の掛け合わせとも言われます。そのため、この引き出しと切り口が多ければ多いほど有利に働くことになります。このワークショップでは、参加した社員がチームごとに自分の自慢を語り、徹底的に褒めます。その中で一番面白かった自慢ネタをもとに「世界を大きく変えるクレイジーなビジネスアイデア」を考えます。このワークショップを実施することで、イノベーションを起こす人材を育成するのに役立つのはもちろんですが、社員同士がお互いに興味を持ち、社内コミュニケーションの活性化にも繋がることも期待できます。
このワークショップはオンライン、オフラインのどちらでも対応可能で、すでに多くの企業様で実施させていただきました。「面白がり力強化プログラム」について、詳しくは以下のページをご覧ください。
今回はリモート環境でも組織内のつながりが弱くならないための5つのアイデアをご紹介しました。
ぜひ参考にしていただき、リモート環境下でも組織の結びつきを大事にしてください。