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アナログなリアル空間をデジタルと結ぶ。Locarise CMO濱田さんが語るインサイトの可視化とは?

新型コロナウイルスに関連する「3密」対策が叫ばれるなか、いま一気に注目を集めているサービスがあります。
リテール、ショッピングモール、会場などを対象としたエンタープライズ向けのIoTプラットフォームを提供するLocarise株式会社(ローカライズ)が開発した「Signal」です。
高精度3Dセンサーカメラで店舗・施設の入店・入場者数や状況を正確に把握し、入場規制を行うことで新型コロナウイルスの感染対策を行う「Signal」は、現在ホームセンターやスーパーマーケットで導入が進んでいます。
今回はLocariseのCMOである濱田康彦さんをオンラインでお招きし、「Signal」をデモしていただきました。
(取材・文/QUMZINE編集部、永井公成)

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「Signal」の店頭ディスプレイは、入店中の人数によって、設定した「入店」「警告」「停止」に自動的に切り替わり、必要最低限の人数での入店を促したり、入店規制中であることを示したりすることができます。

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店頭に複数台カメラを設置していれば、それらを合算して全てのディスプレイで同じ表示がなされます。また、表示される文章やアイコン、しきい値は店舗側で自由に設定ができる仕組みとなっています。

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さらに、入場者が設定した値を超えた場合は関係者にメールを送り、店員に注意を促すこともできます。

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入場数の推移のログを折れ線グラフで表示する機能も搭載されており、ウェブ上から状況を確認できるので、スマートフォンからでも各種情報を確認することができます。また、将来的にはAIを使った入店数の予測も表示される予定とのことです。

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採用したスーパーマーケットは、店内でレジ操作や品出しをしているスタッフが、入店した客によって店内が三密状態になることに対して恐怖心を抱いており、彼らの心配を排除することが導入の動機付けになったといいます。また、店舗としても、店頭にディスプレイをつけることで3密を防ぐための対策を行っていることをアピールできることがメリットとなります。スーパーマーケットによっては、ある人数を超えた場合に警備員を立たせて入場制限を行うことを検討しているようです。

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スーパーマーケット以外にも、ゼネコンでの活用が見込まれます。大きな現場だと、複数の事業者が出入りしているため、その現場に何人いるのかわかりません。そのため、このソリューションを使って入場数を把握し、設定値を超えた場合に管理者にメールが送られることで感染症対策に繋げることができます。

なお、濱田さんによれば、将来的に感染症対策が必要なくなった時に、店頭などに残ったカメラを有効活用するビジネスモデルをロードマップとしているようです。

「Signal」は、スイスの多機能なカメラのメーカーであるXOVISとアライアンスを組んで事業を展開しています。関西国際空港にはすでに同社製のカメラが300台ほど設置されており、中部国際空港セントレアにも導入が決まりました。2019年から始まったばかりですが、日本では500台ほどすでに設置されています。

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続いて濱田さんにスイスのボーリング場にカメラを設置した際のデモ映像を紹介いただきました。ボーリング場の入り口から入ってきた人をトラッキングし、その人がどのように場内を動いたかを把握できます。「ゾーン」を設定すると、そのエリアにどのくらい人が滞留したのかがわかり、「ライン」を設定するとそこをどのくらい人が動いたのか計測することもできます。

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このカメラのデバイス内で映像は処理され、生成されたデータのみがサーバに送られるような仕組みになっていることから、GDPR(EU一般データ保護規則)にも対応しています。将来的にGDPRのようなものが日本に入ってきた場合にも、このメーカーを採用していれば対応できるといいます。

また、映像そのものを送る必要がないため、通信にかかるコストも削減できます。実際には、2Mbpsほどの速度があれば問題ないとのことで、通信状況が悪いモバイルルータでも対応できると予想されます。

小売店が売上を上げるためには、人を増やすか、回数を増やすか、単価を上げるかの三つしかありませんが、すでに販売するモノは飽和状態であり、リアル店舗はECとの戦いもあるため、直帰するサイレントカスタマーから少しでもお金落とすことを真剣に考える必要が出てきています。特に、大型ショッピングモールや駅直結の入り口の多い大型家電量販店などでは、時間潰しやECで購入時の下見のために訪れる人が多く、直帰率を正確に知りたいという需要があるようです。サイレントカスタマーの人数や、その属性がわかれば、広告戦略に役立てられます。ECで行なっている、Cookie情報などを基にキャンペーンを打つということを実空間にも展開できることになります。

日本では、消費税の10%への増税で、リアル店舗の客数が減り、その頃から引き合いが増えたそうです。またオンラインのサプライヤーが、「オンラインはすでにやり尽くしており、オフラインに進出したいので座組みをできないか」との声をかけてくることもあるとのことです。

濱田さんは、「究極なデジタルで究極なアナログサービスをやりたい」と常に思い続けているそうです。例えば、人間の「好き」「嫌い」の根拠は曖昧でデジタル化できないアナログなものですが、その下には見えないように究極のデジタルを置きたいと考えており、それが、カメラやWi-Fiでとったデータをデジタルで処理してアナログサービスで使ってもらうという事業の根底にある考え方だと語っていました。

このインタビューが行われた2020年5月11日以降、Locariseの「Signal」はマスメディアでも大きく取り上げられました。

(「Signal」が紹介されるのは53秒あたり~)

(「Signal」が紹介されるのは32:43あたり~)

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