『ChatGPTでどこまでできる?~姫路市のお悩みを有識者たちでディスカッション~』では、姫路市が抱えている課題についてChatGPTを使った解決策を探っていきます。有識者の方々と共にChatGPTの活用アイデアや新しい可能性を発見していきましょう。
まずは登壇者のみなさんのコメントからご紹介します。
パネルディスカッションスタート!結局のところChatGPTって何ができるの?
文章で質問をするとChatGPTが文章で答えてくれる…というのはなんとなくわかるけど、具体的にはどんなことができるのでしょうか?仕事で役立つ使い方が具体的に想像しにくいという方が多くいらっしゃるかもしれません。
会場ではまず橋本氏によるChatGPTの使い方実演がスタート。ただ文章を生成するだけではないさまざまな使い方が紹介されました。
統計地理情報システムなどのオープンデータ、姫路市の統計や地理情報などのファイルをChatGPTに読み込ませると、分析してグラフ化をしてくれます。「各地域の人口を階級化して可視化してください」「人口の多い地域の特性ランキングを表示してください」など、そんなことまでお願いできるの!?と思うような作業ができるChatGPTに無限の可能性を感じます。
他にも、企画の発想のデザインの例として「姫路式のマスコットキャラクター」をデザインして、企画書を書き、イラスト化してもらうという作業も実演されました。
キャラクターの企画・生成のほかにも、訪日観光客数の推移の可視化(グラフ化)やその表示言語の翻訳まで、非常にわかりやすい資料が作成される過程も紹介されました。「こういう資料が欲しい」というイメージがあれば、何度か命令を出すことで資料に加えて動画までも作成できてしまうという実例に驚く聴講者のみなさん。井上 泰利 氏(姫路市 政策局長)も驚いている様子でした。
自治体でのChatGPT活用事例紹介
続いて、石塚 清香 氏(一般社団法人Code for Japan Govtech推進コンサルタント 総務省地域情報化アドバイザー、Code for YOKOHAMA CSO)から自治体での活用事例が紹介されました。
石塚氏が地方公務員で構成されるオンラインコミュニティでアンケート調査をおこない、「実際に生成AIをどのようなこと使っているか」について尋ねると、
報告書などの文書作成での使用
映像を含めたデザイン面での使用
といった回答があったそうです。
ここからが本題!姫路市が直面している課題についてChatGPTでの解決策を考えてみる
ここまでChatGPTの利用の実演から、自治体での事例まで盛りだくさんでしたが、今回の本題はここから!姫路市が直面している課題と解決策についてパネルディスカッションをおこなっていきます。
まず井上氏から紹介されたお悩みがこちら。
自治体で会議を行うときに音声データの録音と議事録作成を実施しているが、作成と確認作業が大変
毎月発行している28〜32ページの広報誌の作成のために、いろんな部署から情報を集めて編集した上でまた各部署に確認をしてもらうという作業が大変
予算や決算に関連する会議で議員の方に説明を行うときに、資料に掲載されている文字や数字を読み上げに2時間くらい必要で大変
元大阪市職員であるモデレーターの角も「どれも納得です。しかもこれは姫路市さんだけの課題じゃないですもんね!」と頷いていました。このお悩みへの回答について、まずは石塚氏からアイデアを伺いました。
続いて、橋本氏にもアイデアを伺いました。
では、姫路市の職員のみなさんに自己申告制で自分のキャリアに関する文章(こういうキャリアを歩みたい・こういう仕事がしたいなど)を書いてもらい、それをChatGPTに読み込ませて適材適所を考えることは可能なのでしょうか?
橋本氏曰く、ChatGPTが一度に読み込める文字数に限界があったものの、その上限も増えてきているので可能になるのではないかとのことでした。井上氏曰く、最初にこの人のこういう事情に配慮をするとよい(ご家族の介護がある・ご自身の体調面に不安があるなど)といったたたき台をChatGPTが作成してくれるだけでも非常に助かるかもしれないとのことなので、全てをChatGPTに任せるのではなく最初の準備を手伝ってもらうといった使い方は良さそうですね。
データに基づいた政策とその効果検証の方法は?
続いてのお悩みは、データ活用について。データに基づいて政策を作っていこうとしたときに、効果の検証が必要になりますが、その確認が難しいとのこと。
具体例として挙げられたのが、冬のイルミネーションイベントを実施した際の効果検証についてです。冬の夜の時間帯に開催されるイベントがなく宿泊が少なかったので、
宿泊客の増加とそれに伴う消費の増加
人口減少対策として若者の出会いを増やす
を目的に、11月から100日間、22万個のLEDを使ったイルミネーションイベントを実施したので、その効果検証の方法を検討したいとのことでした。
次回に向けてどうすればもっと良くなるかを検討したいところですが、開始時点での数字の予測が難しいので、たしかにPDCAをまわすのは大変そうですね。この悩ましい問題をChatGPTが解決してくれるのでしょうか?
パネルディスカッション冒頭で橋本氏に実演していただいたChatGPTの活用実演では、統計地理情報システムなどのオープンデータと姫路市の地理情報などのファイルをChatGPTに読み込ませて分析していました。
「どうやって政策の効果検証をすればよいか?」という課題を「どういうデータがあれば(ChatGPTを用いて)分析ができるか?」と考えることで今までになかった解決策を考えるヒントになりそうですね。
おわりに(皆さんからのコメント)
ChatGPTの活用事例から、実際のお悩み解決アイデアまで盛りだくさんのパネルディスカッション。非常に充実した内容であっという間に時間が過ぎていきました。最後に登壇者の皆さんからコメントをいただきました。
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