「イノベーション」と「売上」を両方求められたらどうするか?〜新規事業あるある〜
新規事業開発担当者であれば、あるいは新規事業とまではいかずとも仕事で新たな取り組みをするとき、「イノベーション(新規性)」と「売上」というキーワードが天秤の両サイドでグラグラと揺れているはず。
新規事業開発あるあるとかビジネスあるあると言えるかもしれませんが、担当者にとってはそれどころじゃなくてとにかく胃がキリキリと痛む悩ましい問題です。ということで今回は、「イノベーションと売上の両方を求められた場合にどうすべきか?」について考えてみます。
「新規事業部署の売上は、既存部署と同じくらいでよろしく!」
同情ですね……!同情を禁じ得ません!イノベーションと売上の両方を求めるのは無理!!この状態のまま進んでいけば、どんどん辛くなることが目に見えています。
本来、新規事業やイノベーションに収益目標を課すのはナンセンスなのですが、「ナンセンスです」の一言で収益目標がなくなるわけじゃないのが問題です。
スタートアップは「Jカーブ」と呼ばれる成長曲線を描く点が特徴的だと言われます。すごく簡単にまとめると最初は赤字を出しながら短期成長をして黒字転換することで累計損失を回収するというもの。
大企業とスタートアップが同じものではないとはいえ、たとえば売上が安定している既存部署だって、今の状態になるまでに何年もかかっているはずです。それを新規事業部署は短期間でやってねというのはなかなか酷なものです。
解決策は別のKPIや領域を設定することで前提を仕切り直すこと
こうなったら、時間軸を設定し直すか、別のKPIを設定することで前提を仕切り直しましょう。たとえば、先程のJカーブのように、売上が立つまでに必要な期間を説明する資料を作って上層部に説明をしてみるとか、売上以外のKPIを提案してみましょう。
そのためには、上層部との前提のすり合わせが重要となってきます。現在の新規事業はどのような領域にアプローチしているのか?あるいは、今後どのような領域にアプローチしていこうとしているのか?
いまアプローチしている領域を認識した上で、事業の今後について考えられる可能性やパターンを示すことで、上層部とのコミュニケーションが円滑になるはずです。
注意したい点は、文句を言っているように思われないようにすること。設定されたKPIについて文句を言ったり放棄したりするのではなく、上層部と部署内とが現状認識を一致させた上で、KPIについて再検討しているのだと思われることが重要です。
そのためには、しっかり説明資料を作っていきましょう。資料作成をしっかりするなんて基本のキではありますが、これが会社員としてのサバイバル術!
イノベーションと売上。その両方を確実に叶える魔法はないので、仕切り直しをしてみるところから現実的に考え直して行きましょう。
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【上層部の望む売上目標】最短で達成するステップとは|新規事業お悩み相談室 ー第11回ー
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