ガイダンス
ピッチに先立ち、SAIの主催企業である商工中金 未来デザイン室の事務局責任者・佐藤宣幸氏から半年間に渡るSAIの活動の振り返りと本デモデイのガイダンスがありました。
商工中金社長挨拶
続いて、SAIの主催企業である商工中金の代表取締役社長である関根正裕氏から挨拶がありました。
審査員紹介
続いて、今回のコンテストの審査員を務める6名から挨拶がありました。
内部審査員は、商工中金の代表取締役社長・関根正裕氏、取締役副社長・中谷肇氏、常務執行役員・山田真也氏、NTT東日本常務執行役員 兼 NTT DXパートナー代表取締役社長・遠藤玉樹氏、NTT DXパートナー代表取締役・長谷部豊氏が務め、外部審査員は日経BP 総合研究所上席研究員・菊池隆裕氏が務めました。
ピッチ
さて、いよいよ所属企業や拠点、活動時間も異なるメンバーが混成で作られた6チームが半年間、ユーザーインタビューやワークショップ、メンタリングなど様々な活動を行いながらビジネスアイデアへと昇華させてきた渾身のピッチが始まります。持ち時間は8分、その後10分程度審査員と質疑応答の時間が設けられています。
昨年開催された商工中金の社内ビジコンに引き続き、今回もフィラメントが実行支援企業としてサポートをしています。フィラメントは、今回のデモデイに向けてビジネスアイデアそのものをブラッシュアップするためのオンラインメンタリングや、ワークショップ、Slack上でのテキストメンタリング、ピッチの指導や外部審査員のアテンド、エンゲージ施策、直前期には対面メンタリングまで幅広くお手伝いしてきました。今回のデモデイではメンターも現地参加し、直接チームを勇気づけてピッチを見守りました。
「OMO-KACCHI(オモカッチ)」中小企業の強みに基づく新卒採用支援
まずはOMO-KACCHIチームの発表です。このチームは、中小企業の新卒採用を支援するビジネスアイデアを提案しました。中小企業の経営者にインタビューをすると、素晴らしい思いを持っているにもかかわらず、それを形にして発信することができないため、新卒採用をあきらめてしまっていることがわかったとのことです。このサービスでは、中小企業の経営者と従業員の思いの言語化を支援し、採用コンテンツを制作することで、学生の共感を喚起させ、新卒採用へ結びつけることをサポートします。
「デポ休」物流業界のドライバー休憩所不足解消
デポ休チームは、2024年4月から働き方改革法案が起用される物流業界に向けて休息場所を提供するサービスを提案しました。法改正によりトラックドライバーの休息時間が増えるものの、休息する場所がないという問題が発生します。これにより、駐車違反や近隣からの苦情の発生、過労による事故といった問題も予想されます。これに対して、駐車場をシェアできるようなサービスを提供することで、ドライバーの休息場所を確保することができるほか、そのデータを活用することで、運航管理や休息管理にも役立つという解決策を考えました。
「SoCoDesica(ソコデシカ)」地方観光業のインバウンド販売支援
SoCoDesicaチームは地方の特産品や体験をインバウンド消費に繋げるサービスを提案しました。2030年にはインバウンド消費が日本の主要輸出産業になると予測されていますが、現状では地方の消費額が都市部に比べて低いという課題があります。そこで、地方の魅力を直接伝え、手荷物を気にせず購入できるサービスを考えました。コンシェルジュとインバウンドを繋ぐプラットフォームを通じて、地域固有の情報や商品を紹介し、観光客の消費を促進します。地域経済の活性化と消費拡大を目指します。
「ProBoost」人間関係資産の可視化
ProBoostチームは、職場における人間関係の可視化ツールを提案しました。リモートワークの普及や社会環境の変化により、職場の関係性が希薄化している現状に対応します。コミュニケーションツールのログを利用して社員間の繋がりを自動で可視化し、管理層にレポーティングします。これにより、たとえば取引先との関係が希薄化した時にも管理層が早期に発見することができます。担当者は部下のマネジメントに使えるほか、担当者は前任との関係性を確認して不明な点を聞くべき相手がわかります。
「ココイケ」製造業の新規販路開拓支援
ココイケチームは、日本の自動車関連部品製造業が直面している経営上の課題を対象にしました。かつては品質、納期、コストを気にしていれば受注を得られていたものの、最近では受注が減少しており、かつ新規営業の方法が分からないという問題が生じています。これは、自社の強みや市場適合性が不明確であることが一因です。これに対応するため、企業が自社情報を入力すれば、AIがその強みを可視化し、適した見込み客リストを提供するシステムを提案しました。これにより、中小企業は自身の強みを理解し、新たな市場に進出する手助けを受けることができます。
「AI女将」宿泊業界の人手不足解消
AI女将チームは、地方宿泊業界の人手不足問題に対処し、派遣スタッフの業務を円滑にするためサービスを提案しました。宿泊業界は繁忙期と閑散期の差が激しく、人手不足は深刻な課題です。派遣スタッフは重要ですが、短期間での入れ替わりが多く、その都度の指導には時間がかかります。特に女将は、お客様対応から物品の発注まで多岐にわたる業務を担い、派遣スタッフへの指示出しにも時間を割いています。AI女将は、業務進捗度をリアルタイムで反映し、派遣スタッフに次の仕事を指示するシステムです。これにより女将の負担が減り、より効率的な業務運営が可能になります。
昨年の商工中金のデモデイとは異なり、今回は商工中金とNTT東日本グループの混成チームでアイデアを練りました。そのため、日本全国様々な中小企業にネットワークを持つ商工中金の強みを活かして顧客の課題を発見し、インタビューを行い、NTT東日本グループのテクノロジーに関する知見を活かしてソリューションを考えるという構図が多く見られました。また、所属組織や拠点の異なるメンバーでやりとりするために、直前期には早朝からSlackのハドルミーティングを使ってチームミーティングを行ったり、デモデイの会場に早めに来て発表のリハーサルを行うチームもみられ、どのチームも質の高いピッチを成し遂げました。
リフレクションイベント
全6チームの発表と審査員らによる質疑応答の後、別室で審査会の時間となりました。審査中は、リフレクションイベントと題し、自分が参加していないチームの発表内容について自由に質問したり、説明を受けたりする時間となります。これまで伴走支援してきたメンターや他チームのメンバーと交流することで、それまでピリピリと緊張感で満たされていた会場が一気に和やかなものとなりました。
結果発表
審査会が終わり、審査員が会場に戻ってくると、いよいよ審査結果の発表です。
今回のデモデイでは大きく分けて3つの賞が用意されています。
まずは「フィラメント賞」。3チームが受賞します。フィラメントによる半年間の各チームの伴走支援を通じて、優秀な成果を上げたチームが選ばれることになります。
次に各社賞です。各社賞は、PoC(実証実験フェーズ)には進まないものの、提案されたテーマの選定が秀逸であったり、ソリューションが優れていたりと、両社間のシナジーがあると判断されたプロジェクトに対して、個別に授与されます。まず「NTT東日本グループ賞」です。
次に「商工中金賞」です。
最後は最優秀賞です。
最優秀賞は両社共創のもと、今後のサービス検証、リリース判断などを経て、サービスの立ち上げへと向かっていくことになります。
講評
クロージングとして審査員から講評がありました。
商工組合中央金庫 取締役副社長 中谷肇氏:
NTT DXパートナー代表取締役 長谷部豊氏
この後、参加者はARCHに併設されたARCH CAFE & BARにて懇親会に出席しました。参加者やメンター、審査員が飲み物を片手に、これまでの活動をねぎらいました。
参加者の皆さん、お疲れ様でした!
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