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ミャクミャクも駆けつけたDXイベント「関西デジタル・マンスオープニングイベント」 ~川邊 健太郎氏の基調講演からパネルディスカッションまで大盛況!~

2023年10月2日(月)に関西デジタル・マンスのオープニングイベントが開催されました。
関西広域連合、 総務省近畿総合通信局、経済産業省近畿経済産業局、一般財団法人関西情報センター、独立行政法人情報処理推進機構、公益社団法人関西経済連合会の6団体から構成される実行委員会によって今年度創設された「関西デジタル・マンス」。そのオープニングにあたる本イベントは注目度抜群で、イベント会場であるQUINTBRIDGE(クイントブリッジ)は早々に定員オーバーとなり、非常に多くの注目を集めていたことがわかります。
LINEヤフー代表取締役会長の川邊健太郎氏による基調講演、そしてフィラメントCEO角がモデレーターを務めるパネルディスカッション「関西がDX先進地域となるために~ONE関西で取り組むDX~」などが行われた関西デジタル・マンスのオープニングイベントの様子をご紹介します。


関西経済連合会 副会長 DX委員長 村尾和俊 氏の挨拶

関西デジタル・マンス実行委員会主催「関西デジタル・マンスオープニングイベント」はNTT西日本が運営するオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)」にて開催され、関西のDX推進に向けた新たな1歩を踏み出すこととなりました。

関西デジタル・マンス実行委員会の構成団体である関西経済連合会 副会長・DX委員長 村尾和俊 氏の挨拶からイベントが始まりました。

村尾和俊 氏:
本日は関西デジタル・マンスのオープニングイベントにご参加いただきまして、心より感謝申し上げます。
関西経済連合会では昨年12月に「関西DX戦略2025」を公表し、その中で関西がめざすべき姿を打ち出すとともに、その実現に向けて、8つの具体的な取り組みを現在進めています。その1つとして開催するのがこの関西デジタル・マンスです。DX推進の機運醸成を図るために、毎年10月に開催していくもので、期間中は講演会・セミナー・相談会といった様々なイベントを通じて、関西の皆様方にデジタル技術やDXについて考え、体験し、DXの可能性をより身近に感じていただく機会を提供します。
加えて、関西デジタル・マンスの特筆すべきことは、企業・市町村・府県間にある「カベを越えて」官民一体・関西広域でDX推進の機運醸成をめざしていることです。多様な知見を取り込み、関西全体に活かしていくことで、新たな価値を創造する強い企業・産業の創出や、人々の多様な幸福を実現する地域づくりの機運を高めていく、そのような1か月にしたいと考えています。本イベントがDX推進の大きなムーブメントの1つとなり、地域間競争力の高い関西の実現に寄与することを期待しております。

川邊 健太郎氏による基調講演「DXの意義とその先で人がすべきこと」

続いて、川邊 健太郎(LINEヤフー株式会社 代表取締役会長・一般社団法人 日本IT団体連盟 会長)氏による基調講演「DXの意義とその先で人がすべきこと」が行われました。

デジタル・マンスの開催日と同じくして、10月2日の朝にはこちらのニュースが配信されていました。 

新会社「LINEヤフー」発足 コーポレートサイトも公開

川邊氏は当日午前中はLINEヤフー大阪オフィス(旧ヤフー大阪オフィス)にて会社誕生イベントに参加したあと、デジタル・マンス会場に来られたそうです。(ちなみにパネルディスカッションのモデレーターを務めるフィラメントCEO角はLINEヤフー社員でもあるので、こちらのLINEヤフー大阪オフィスでのイベントに参加していました!)
そんな新生「LINEヤフー」Tシャツを着用した川邊氏によるDXについての講演が始まりました。

川邊 健太郎氏:
関西デジタル・マンスオープンおめでとうございます。デジタル・マンスの最初の講演をさせていただきますこと、大変光栄に思っております。
我々の会社「LINEヤフー」はインターネット会社、すなわちデジタル前提の企業でございまして、普段から広告主さんやビジネスパートナーさんなどにDXの意義を申し上げ意見交換しています。今日はDXの意義についてここでもお伝えすることと、AIなどのテクノロジーが発展していく現在、人間はどうしていくべきかをお話をできればと考えています。

基調講演では、ヤフー株式会社でのリモートワーク事例を交えながら、リモートワーク導入によって組織のDX変革を促す提案などが行われました。
そもそもDXをなぜやらねばならないのか?その理由の1つは「労働力不足」。そしてもう1つが「省力化」。省力化は1つ目の「労働力不足」とも関連していますが、人手不足に関係なく省力化をすることでコストダウンひいては利益拡大や次の投資に繋がっていきます。たとえば、PayPayをはじめとしたキャッシュレス化により現金の管理コストがおさえられた事例などは多くの人にとっても身近な話ではないでしょうか。管理コストだけではなくお金の支払データをAIなどによる分析でさらに活用できるなど、DX化の可能性についても言及されていました。ほかにも公共・医療・介護・公共交通などのDX化の余地やその未来の話へと広がりました。

川邊 健太郎氏:
デジタル化やAI化によって、いわゆる知的な作業が機械に取って代わられつつあります。これまで人間が担ってきた予測や判断を機械の方が正確にできるようになってきている。では我々はどうするべきか。
「大丈夫です」というのが結論です。なぜならば人間はこれまでも「機械に任せられることが増えたら新しいことに取り組む」ということをやってきました。これからの人間の作業としてよく言われるのは「想像すること」、クリエイションですよね。それらをもとにして説得やコミュニケーションができることはこれからも活きていくスキルです。
もう1つ、重要なことは「意思決定」です。 意思決定をするための予測はAIのほうが多分人間よりもできるようになりますが、AI自体に何かを判断をする機能はありません。つまり、意思決定は我々がしなければいけない作業になります。もっと言うと、「意志」がいちばん大切で、「どんなことをしたいか」と考えることが人間にとっての最も重要なスキルになっていくかなと思います。
デジタル・マンスを経て、ただ「デジタルやろうかな」となるのは違います。デジタル化はあくまでも手段で、デジタルを使って何を実現したいのかについて意思決定をして、我々が人間として価値を作り出していくことがいちばん重要です。それさえあれば、DXは皆さんの味方になってくれるはずです。

パネルディスカッション「関西がDX先進地域となるために ~ONE関西で取り組むDX~」

 続いて、パネルディスカッションが行われました。モデレーターはフィラメントCEO角が努めさせていただきました。パネリストのみなさんのお名前と所属は以下のとおりです。

【パネリスト】

橋爪 宗信 氏(日立造船株式会社 常務執行役員 ICT推進本部長)

内田 光治 氏(株式会社ウチダレック 専務取締役)

高橋 真知 氏(株式会社Stroly 代表取締役社長)

多名部 重則 氏(神戸市 広報戦略部長兼広報官)

【モデレーター】

角 勝(株式会社フィラメント 代表取締役CEO)

パネリストの自己紹介後、「関西がDX先進地域を目指すにあたっての課題・関西の強み」についてディスカッションが行われました。DX推進にあたっては、人材・資金・ 企業間・官民の連携などさまざまな課題がある中でパネリストのみなさんはどのような課題を感じているのでしょうか。

ディスカッションでは、多名部 重則 氏(神戸市 広報戦略部長兼広報官)による神戸市の広報誌のDX化の事例をきっかけに、パネリストそれぞれの立場から感じている課題からその解消に向けての動きまで議論が展開していきました。

次にディスカッションの中で話し合ったのが「関西の強みを活かした今後の展望」について。関西にはものづくりをはじめとしたポテンシャルの高い企業、個性のある大学など強みがたくさんあります。また、2025年には大阪・関西万博が開催、うめきた2期地区開発事業など、飛躍の機会が多く控えています。

内田 光治 氏:
先程のディスカッションの中では「横のつながり」というキーワードが出たんですけど、それに加えて「縦のつながり」も関西の強みなのかなと思っています。関西は歴史のある企業さんが多くて、後継者もしっかりいる。その強みというのは、時代が変わっていく時や、デジタルでやり方を変えていきましょうっていう時に、道筋をトップダウンで決められることだと思うんですね。そうやって成功した企業があれば、それが「横のつながり」で「あそこがうまくいってるらしい」ってなるんじゃないかと思います。

内田 光治 氏(株式会社ウチダレック 専務取締役)

このほか、モデレーターである角が大阪市役所に勤めていたこともあって以下の議題についても話し合われました。

角 勝:
役所でなんらかのシステムを発注することがあるんですけど、そういう案件ってセクション単位で発注されてしまうんですね。 その結果、各部署のシステムとして閉じたものがどんどん出来上がっていってしまって、それが結果としてデジタル面での情報の流通を妨げることになってしまうんです。
私も大阪市役所にいたのでわかるんですけど、そうせざるを得ない発注の形態になっているんですよね。予算要求をする→予算がおりる→その予算分のシステムを作るといった繰り返しです。先程高橋さんもおっしゃってましたけれども、この繰り返しをやった結果として、システムが違うのでデータの連携が全くできずに行政の効率が悪くなってしまうといったことが起きます。こういうのってどうやったら解決できるんでしょうか?

橋爪 宗信 氏(日立造船株式会社 常務執行役員 ICT推進本部長)

橋爪 宗信 氏:
私は2018年までNTTデータにいまして、公共社会基盤というところで中央官庁および地方自治体のシステムを担当していたのでわかるんですけど、役所内でバラバラにシステムを発注すると、結果的にそこで扱うデータもバラバラになってるんですね。「全部一緒に作ればいいじゃん」って思うんですけど、それだと単一のIT企業に発注することになってしまってダメなんだろうなって思ってます。
システムは部署ごとにバラバラなのにやりたいことは全部一緒ってこんな非効率なことはないですね。だから、やはり、デジタル庁といった行政系は費用がかからないシステムのアーキテクチャーや使いまわしできる仕組みを作ればいいんですけど、これはIT企業からすると受注の機会を失うので難しい。多名部さんと同じように、なかなか答えがないので、やはりこういったことを打破するにはデジタル庁にもっと頑張ってもらわないといけないし、入札についてもRFPを出して入札しているだけではシステムは共通化していかないのでそういうところをちゃんと考えないといけないかなと思います。

高橋 真知 氏:
大企業さんですと情報システム部とかがあると思うんですけど、そういった部署がなんとなくやってくれるというのとはまた違う話なのかなと思っています。そういった部署って「自分の会社を守る」という立場なんですよね。
攻めたデジタル運用をしたいとなったときに、「システムを守る」っていうすごく大事な役割をしている人に攻めもやらせるっていうのはちょっと違うかなと思ってて。攻めのパートをやってくれる人を守りの人とは別で増やしていきたいですよね。

角 勝:
DXって何のためにやるの?って考えた時に、成長のためなんですよね。自分たちの事業成長であったり、お客様の満足度を高めるであったり、そういったことのために取り組んでいて、なんなら世の中を良くするためにやっている。世の中の労働力や時間といった資源とかを無駄遣いせずに、それをもっと前向きなことに充てるためにやるのがDXなんだと思います。

最後はパネリストの皆さんからの一言をいただき、大盛況のパネルディスカッションは終了しました。続いて、独立行政法人 中小企業基盤整備機構 企業支援部 企業支援課主任の石井大嗣 氏より中小機構の取り組みについての紹介、クイントブリッジについての紹介が行われました。最後は関西広域連合 本部事務局 事務局長の土井典 氏の閉会のあいさつがあり、会場の皆さんとの集合写真を撮影し、関西デジタル・マンスのオープニングイベントは幕を閉じました。

集合写真撮影ではスペシャルゲストとして、大阪・関西万博公式キャラクターのミャクミャクが会場に駆けつけました!こちらの集合写真はこちらの産経新聞記事でも使われています。

これから毎年、関西の10月はデジタル・マンス!来年も楽しみですね!


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