近畿大学発ベンチャー起業支援プログラム(KINCUBA)が、大学発ベンチャーの創出と産学連携の新たな形として注目を集めています。KINDAIとINCUBATIONを組み合わせた造語であるKINCUBAは、学生起業家の育成から企業との協業まで、包括的な支援を提供しています。
この日、同プログラムの拠点「KINCUBA Basecamp」で開催された「未来ビジョン交流会」では、学生起業家と常石グループの社員が互いの事業アイデアを発表し合う革新的なピッチセッションが行われました。
近畿大学発ベンチャー起業支援プログラム「KINCUBA」〜革新的な学生起業支援の取り組み〜
まずは、近畿大学 経営戦略本部 起業・関連会社支援室 垂見俊秀氏より、KINCUBAの取り組みについての紹介がありました。垂見氏は近畿大学を卒業後、民間企業に務め、現在は近畿大学 経営戦略本部 起業・関連会社支援室に勤務されています。
近畿大学が推進するKINCUBAは、2022年の「スタートアップ創出元年」を契機に立ち上げられた先進的な起業支援イニシアチブです。全国の大学で同様の取り組みが行われる中、近畿大学では専門施設や専任スタッフの配置など、充実した支援体制を整えています。具体的な支援内容としては、法人登記・開業支援プログラムがあります。このプログラムでは、法人登記時に必要な設立資金最大30万円の費用を大学が負担し、学生の金銭的負担を軽減しています。また、年に一度開催される近畿大学ビジネスコンテストでは、優秀なビジネスアイデアに対して賞金などの支援が提供されます。また、今回のピッチセッションの会場でもある近畿大学のインキュベーション施設「KINCUBA Basecamp」では、前述の法人登記のサポートから専門家によるアドバイスまで、起業に必要な様々なリソースにアクセスでき、しかも、施設は24時間利用可能という理想的な環境が整っています。
KINCUBAの特徴は、近大発ベンチャー117社のうち学生起業家の割合が多い点です。この学生起業家の多さは、他大学と比較しても際立っており、近畿大学の学生起業支援への強いコミットメントが表れています。
学生起業家の事例はさまざまで、たとえば、「インフルエンサーとフリーマーケットを組み合わせたイベント企画」、「大学での専攻とは異なる分野での起業(理工学部生によるたい焼き販売など)」があります。規模としては社長一人で運営しているスモールビジネスが多くなっています。自分で経営をすることで学生のうちに小規模であっても、経営という1つのサイクルを実体験することは、卒業後に就職活動の場合にも役立ちます。
KINCUBAの狙いは、単に起業を促進するだけではありません。小規模ビジネスでの実践的な経験を通じて、学生たちに「失敗のリスクが低い環境」での挑戦機会を提供し、将来のキャリアにも活かせる貴重な経験を積ませることを目指しています。
近畿大学は今後、近大ビジネスコンテストの規模拡大など、さらなる支援強化を計画しています。このプログラムは、学生に実践的な起業経験を提供するだけでなく、日本の大学発ベンチャー支援の新たなモデルとしても注目を集めています。
学生たちに起業という選択肢を提示するとともに、社会に出てからも活かせる実践的なビジネススキルを養う場を提供するという革新的なアプローチが、日本の次世代起業家育成にどのような影響を与えるか、今後の展開が大いに期待されます。
常石グループの事業とCVCとは
続いて、ツネイシホールディングス株式会社 齋藤爽夏氏による常石グループについての説明と、常石商事株式会社 橘高啓介氏による同社のCVC事業についての説明がありました。
常石グループと近大生のピッチがスタート!
常石グループと常石商事のCVC事業についての説明の後は、いよいよピッチがスタート。近大生と常石グループが交互に8分間のピッチをおこないます。大盛りあがりのピッチの様子は写真でお届けします。
ピッチを終えて
大盛りあがりのピッチを終え、最後は総括です。
ピッチを見ていた皆さんから一言ずつ感想をいただきます。
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