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フィラメントの「プロジェクトを動かす係」こと、「プロジェクトマネージャー」の仕事についていろいろ教えてもらいました

大企業の新規事業創出をサポートするフィラメント。多様な経歴を持っているメンターがクライアント企業の新規事業創出をアイディエーションの段階から伴走するのがウリです。とはいえ、メンターだけではプロジェクトが先に進んでいきません。今回は社内外のメンターとクライアントを結び付け、プロジェクトを実際に動かしているプロジェクトマネージャーの平井征輝さんに、フィラメントにおけるプロジェクトマネージャーという仕事についてお話しいただきました。(文/QUMZINE編集部・永井公成)

QUMZINEの編集長である平井征輝さん。実は運営会社フィラメントのプロジェクトを実際に動かす「プロジェクトマネージャー(PM)」の仕事もしています。具体的にどのような仕事をしているか、聞いてみましょう!

平井征輝 Masaki Hirai
株式会社フィラメント
CMO/シニアビジネスアーキテクト・常勤

滋賀県出身。プロモーションエージェンシー~広告代理店勤務を経て、2018年5月より、フィラメントに入社。これまで、外資系スポーツメーカー・製薬会社・大学など複数のクライアントのプロモーション案件に携わり、ユーザー・コミュニケーションのスペシャリストとして豊富な知見を有する。コーポレートマーケティング、プロジェクトにおける「風呂敷をたたむ役」として全般的に実行。オウンドメディア「QUMZINE」編集長。

ーーそもそも、フィラメントはどういったことをしている会社か、改めてお聞かせいただけますか?

平井:フィラメントは、自分たちを「企業変革の伴走者」と位置付けています。IT、通信、金融、放送、製造、商社、自治体といった多岐にわたる業界をリードする大企業を主なクライアントとしています。新規事業創出、人材開発、組織開発といった分野で寄り添いながら、社内ビジネスコンテストの実行支援やメンタリング、新規事業人材の育成研修プログラムを提供することで、クライアント企業の変革と成長をサポートしています。

ーー平井さんは前職でどのようなお仕事をされていましたか?

平井:フィラメントに入社する前は、10年以上、広告・プロモーション業界で働いていました。この期間、BtoCとBtoBの両方のクライアントに携わり、プランニングの仕事を通じて企画立案から提案、媒体手配、クリエイティブ制作、そして予算管理に至るまで、複雑なプロジェクト管理を経験しました。イベントの運営も多く手がけ、ロジ周りの調整も経験しました。広告業界においては、制作のプロセスが大きな比重を占めるため、映像、デザイン、印刷物などの物理的なリードタイムを考慮した厳密な進行管理が必要で、これに対応するためにローンチから逆算してスケジュールを組むスキルを身につけました。このような経験は、「守・破・離」の中の「守」と言える部分であり、型にはまった方法を実行する基礎的なスキルを養うことができました。

ーー平井さんが現在されている「PM」とは、どのようなお仕事なのでしょうか。

平井:フィラメントのPMとしての主な役割は、プロジェクトの進行管理です。具体的には、常時、2~3社のクライアントを同時並行で担当しており、「社内ビジコン」や「人材育成研修プログラム」といった中長期のプロジェクトを円滑に進めることが求められます。プロジェクト全般に関わり、定例のミーティングの進行、スケジュールの管理、必要に応じたドキュメントの作成など、多岐にわたる業務が伴います。プロジェクトのステークホルダーには、社外のクライアントと社内の共創メンターが含まれ、PMはこれらの間の窓口として、折衝や調整を行います。

フィラメントにおけるPMの進行管理では、前職の広告業界のような厳密さは必ずしも求められませんが、その代わりに柔軟性が重要視されます。私たちのビジネスのコアは「モノ」ではなく「人」とのコミュニケーションにあります。それゆえに、機械的に進行していくわけではなく、計画通りに進まないことも多く発生します。そのため、緊急のミーティングや調整が必要となることも多くあります。このような状況に対応するためには、関係者のコミュニケーションをスムーズにし、プロジェクトを柔軟かつアジャイルに進行させる能力が必要となります。これは、いわゆる「守・破・離」の中での「破」に該当する部分です。とはいえ、クライアントの成果が最終ゴールなので、「厳密さ」が求められるシーンでは問答無用で厳密にやります。(笑)

ーー社外と社内の窓口となるようなお仕事とのことですが、それぞれに紐づく具体的な仕事について、もう少し詳しく教えてください。

平井:社外との窓口については、ビジコンや人材育成研修の運営事務局・進行管理の役割が挙げられます。プログラムの企画段階からフィラメントの営業担当者と全体設計を行い、キックオフ後は週次の事務局定例ミーティングのファシリテーションを担当します。参加者や各チームの状況を全体で把握し、アジェンダの洗い出し、進捗共有や改善調整を行います。社内との窓口については、メンターとの連携が挙げられます。共創メンター(※)との情報共有に注力し、各チームへのサービス提供クオリティの最大化を目指します。このほか、メンタリングセッションやイベント前の共創メンターへのインプット提供、ガイダンスの実施、必要に応じた臨時ミーティングの設定も含まれます。

※共創メンター:共創メンタリングをリードする新規事業チームの伴走支援者。新規事業の知見を提供するだけでなく、相手に寄り添いその立場や気持ちを理解したうえで、自発性・主体性を高め、自ら行動して学べるように支援します。

ーークライアントや共創メンターとの窓口となる役回りをするにあたり、関係性の点でどのようなことを意識されていますか?

平井:共創メンターがパフォーマンスを最大限に発揮し、メンタリングに集中できる環境を整えることは、結果的にクライアントの満足度向上につながると考えています。この役割は、タレント事務所のマネージャーに似ているかもしれません。さらに、クライアントの事務局や参加者に対しては中立的な立場を保ちながら、全体のバランスを見て行動します。メンターに直接言いにくいことを伝える緩衝材のような役割も果たしています。

ーーどのような人がこの仕事に向いているといえるでしょうか。必要なスキルはありますか。

平井:社内外とのコミュニケーション頻度が高いため、人と関わることが好きな人は、働きやすいと思います。コミュニティマネージャーやバックオフィスでの経験がある、面倒見の良い人も適しているかもしれません。さらに、新規事業やさまざまな事業、新しい動きに関心がある人や、新しいプロジェクトに挑戦したい人もフィットすると思います。物理的な会話に加えて、テキストコミュニケーション(Slackやメッセンジャーなど)も多用されるため、これらのスキルは必須です。プロジェクトに必要な情報や意思決定を的確に言語化し伝える能力や、クライアント側の担当者が本当はどのようなことを求めているのかの読解力が求められます。また、変化し続ける事態に柔軟に対応できる人も求められています。一方で、計画通りに進まないと不安を感じる人や、急な変更やピボットが苦手な人は、PMとして向いていないかもしれません。変化が多く混沌とした状態に対して、むしろそれを楽しむことができる人が望ましいです。PMの役割では、「自分の持ち場の仕事」という部分最適化的な考え方ではなく、タスク完了のその先、つまり仕事が手を離れた後にどのように扱われるかが重要で、受け取った人がどのように仕事を進めるかに真の価値があると考えます。また、社内外向けの説明資料や提案資料、PowerPointなどドキュメントの作成頻度がかなり多いので、これらの提案資料作成スキルも重要です。

ーーリモートワークと対面の仕事はどのような比率になりますか。

平井:オフィスから遠く離れた場所に住んでいるため、95%くらいがリモートワークでの作業です。しかし、新しいワークショップを設計するようなミーティングがある場合は、大阪のオフィスに出社することもあります。日常的なクライアントや社内のミーティングもほぼ100%リモートで行っており、対面での参加が求められるのは、イベントやワークショップでの出張時ぐらいです。

ーー一週間のモデルスケジュールについていくつかお尋ねします。

平井さんの1週間のモデルスケジュール

まずは「進捗状況の確認とDB更新」とありますが、具体的にはどのような業務を行っているのでしょうか?

平井:「社内ビジコン」や「人材育成研修プログラム」の参加者・チームの進捗状況やアップデートを確認し、プロジェクト管理データベースを最新の状態にメンテナンスすることです。プロジェクト管理ツールはNotionを使っています。基本的に、プロジェクト管理データベースは社内の共創メンター向けに共有しています。全員が同じ情報レベルにあり、必要な情報にすぐにアクセスできる状態を保つために、情報の均等な共有に努めています。

ーー顧客提案におけるPMの役割は何ですか?

平井:営業担当者と一緒に提案内容を検討し、提案資料まで仕上げることです。

ーードキュメント作成とは具体的にはどのようなものですか?

平井:PMが作成するドキュメントとしては、提案資料、定例の事前資料、プロジェクトのガントチャートなどが挙げられます。ドキュメントはPowerPointやWord、Excel等を用いて作成します。

ーーミーティングにはどのようなものがありますか?

平井:定例的に発生するミーティングとしては、プロジェクトごとにクライアントとフィラメントの双方が進捗を管理したり、今後の方針を協議する事務局定例ミーティングと社内のプロジェクトの進捗を確認する事業推進会議があります。このほかに定例外でクライアントのカウンターパートと細かいところを調整し、個別のご相談・ご要望などお聞きして持ち帰る担当者間のミーティングも発生します。

ーー「メンターに向けたガイダンス」とは何ですか?

平井:共創メンターが参加する社外イベントやメンタリングの日に備えて、メンターへの情報共有と共通認識の形成を目的としたガイダンスを実施しています。メンターが当日に最高のパフォーマンスを発揮できるように、前もって作戦会議のような時間を設けるようにしています。

ーーメンターではないにもかかわらず、メンタリングにオブザーブ参加するのはどうしてですか?

平井:全チームのメンタリングにオブザーブ参加することで、プログラム全体を俯瞰的に把握することが目的です。メンターはすべてのチームや参加者を担当しているわけではないため、他のチームの状況を直接知ることができないことがあります。このため、プログラム全体の「差分」を理解することはPMの重要な役割の一つです。また、メンターと参加者間のコミュニケーションが上手くいっていない場合や、チームの進捗が遅れている場合などの問題に早期に気づいて、アラートを発することもできます。

ーー「イベントの振り返りミーティング」を事務局とメンターでそれぞれ行っている理由はなんですか?

平井:実施した活動について振り返りを行い、速やかに改善のPDCAサイクルを回しています。この振り返りをクライアント(社外)とメンター(社内)の双方で行う理由は、それぞれの視点からのフィードバックを通じて、良かった点や現在の課題を明確にし、改善策を見出すためです。基本的には、社内でのディスカッションをクライアントと共有し、両者の合意のもとに実行に移しています。

ーーPMの仕事におけるやりがいは何ですか?

平井:フィラメントは共創メンターという強力な武器を活用し、伴走支援などのサービスを提供することでクライアントに満足いただいています。大好きなメンターたちを存分に活躍させ、それによってクライアントに喜んでいただくことが大きなやりがいとなっています。

ーーフィラメントで働く面白さは何ですか?

平井:会社が成長するにつれて、会社そのものが常にトランスフォームし続けていることです。これにより、会社としてだんだんと新しい取り組みが可能になり、事業領域が拡大していきます。それと同時に、自分自身が成長し、仕事の幅が広がっていくことも実感できます。


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