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果たして技術や手法を追いかけることだけがビジネスなのか。Beyond the Bizを通じて見えてきたこと。

フィラメントをさらにわかりづらくしているBeyond the Biz

フィラメントのHR変革リーダーの羽渕です。最近、ファシリテーションをしていないので僕のことをご存知でない方も多いと思うので簡単に自己紹介をさせてください。フィラメントの一人目の社員です。(ただの古株です)昔からよく、フィラメントは何をしているのかわかりづらいと言われてきました。

今回、私が紹介したいのは、フィラメントが主催するイベント『Beyond the Biz~ビジネスを越境せよ~』についてです。「メタ認知」「抽象化思考」を刺激する、知的なオトナたちの社交場として、哲学、アート、生活(家族・結婚)というテーマで3回ほどイベントを実施してきました。

哲学?アート?何それ、ちょっとよくわからない。正直、Beyond the Bizを開催するまで、僕自身よくわかっていませんでした。(もちろん今もわかってるとは言えません)イベント自体も収益性のために開催しているイベントではないので、なぜフィラメントがBeyond the Bizを企画するかわからないという方もいらっしゃると思います。

つまり『Beyond the Biz~ビジネスを越境せよ~』は、ただでさえわかりづらいフィラメントを、さらにわかりづらくしてしまっている可能性があります。なぜわかりづらいイベントを開催するのでしょうか。そもそもなぜフィラメントはわかりづらいのでしょうか。本コラムを読んだ後に、その理由が垣間見えたら嬉しいです。

フィラメントがわかりづらいのは目に見えるモノを売っていないから。

フィラメントがわかりづらい理由のひとつに、目に見えるモノ(WHAT)を売っていないことがあると思います。例えばフィラメントが家電を売っているメーカーだったらわかりやすいと思います。

でも「一緒にアイデアを考えますからお金ください」というといかがでしょう。アイデアみたいなふわっとした目に見えないものを扱って、なんかあやしいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

少しでも認知されやすくするためには、「一緒にアイデアを考えます」ではなく、アイデアソンやハッカソン、オープンイノベーションなど手法(HOW)に名前をつけることが効果的です。さらに今年はフィラメントのアイデア出しの手法(HOW)であるストーリーカードメソッドを商品化(WHAT)にしたのですが、見える化したことで予想以上の反響がありました。見える化は大事。でも、一方で弱点もあります。

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手法はわかりやすいが幻滅もされやすい。

アイデアソン、ハッカソン、オープンイノベーション、デザイン思考、デジタルトランスフォーメーション、AI、IoT。新規事業を担当されている皆さま方は、一度はお聞きになられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

テクノロジーや手法の類は、一度期待値が爆上がりして、その後バブルが弾けたように幻滅し、安定期に入る傾向にあります。詳しくはガートナー社のハイプ・サイクルをご覧ください。2019年の10月のハイプ・サイクルによると、アクセラレータープログラムが幻滅期に差し掛かったみたいです。

ちなみにCEO角さんとCXO佐藤さんと僕は、アイデアソン・ハッカソンの黎明期から安定期までの変化を共に体験してきました。期待されて幻滅されていくジェットコースターはなかなかの体験です。次のトレンドの波を追いかけることも大事ですが、周囲の期待値に左右されずにやり続ける方も同じくらい大事だと思っています。

それでは、やり続けるために何が必要なのでしょうか。

KNOW-HOWからKNOW-WHYへ

結論からいうと、テクノロジーや手法を目的化するのではなく、そもそも何のためにやるのかを探究することが大事ではないかと思います。例えば AIでいうと、AIが流行っているから我が社でもAIで新規事業を作ろうという発想ではなく、そもそもどのような社会にしていきたいか、そのためにAIをどう活用していくかを問うていくべきだと考えています。

しかしながら、どういう社会にしていきたいかは、決まった正解があるわけではありません。100社あれば100通りの考え方があります。一方的に我々が「正解」を提示し、正解に行き着くための手法を教えるKNOW-HOW型のセミナーでは難しいなと考えました。そうではなく、みんなでタイワしながらそれぞれの納得解を導き出すKNOW-WHY型の場をつくるべきだと考えました。結果、『Beyond the Biz~ビジネスを越境せよ~』がうまれました。

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第一回のビジネス×哲学の回で、私が印象に残ったエピソードをひとつご紹介させてください。山中教授がアメリカで研究員をしていたとき、当時の上司から「お前のビジョンはなんだ?」と聞かれたそうです。山中教授は「論文を書いて、いっぱい研究費をもらって偉くなりたい。」と答えたら、上司から「それは手段(HOW)だ」と指摘されて、改めてビジョンを問い直すキッカケになったそうです。まさにKNOW-HOW型からKNOW-WHY型へ思考回路が変わったエピソードでした。

第二回のビジネス×アートの回は、私もモデレーターとして参加させていただきました。自動運転でも横断歩道に子供が渡っていて、自動運転のクルマが、避けると運転者が死ぬ、まっすぐ行くと子供を死ぬ、どっちを選びますかと言うと、これは答えがありません。どうプログラミングするかは、社会として納得解を出していくかが求められているなと思いました。

第三回のビジネス×生活(家族・結婚)の回は、哲学とアートからKNOW-WHY型思考を学んだので、より具体的に自分たちはどういう納得解を持って生活するかをタイワする場にしました。結婚をテーマにした理由は、結婚して子供を産むという社会的な正解が崩壊しているからです。自分たちはパートナーとどういう関係性を築くべきかタイワできました。個人的な話で恐縮ですが、このイベントをキッカケにして夫婦関係が改善されました。


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最後に『Beyond the Biz~ビジネスを越境せよ~』に企画し続けて自分なりに見えてきた変化は、社会的な「正解」や流行りの「手法」に変に振り回されなくなってきたことです。今まで一つの視点でしか考えていなくて頭がグルグルしていたことも、自分で問いを変えたり、他の人とタイワができるようになっていくと、自分だけでは導き出せない納得解が導き出せるようになってきました。

第四回は「ビジネス×旅」で企画しているのでもしよかったら参加してみてください。

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