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NTT Comの社内ビジコン「DigiCom」を参加チームが振り返る 〜事業開発で情熱を持ち続けられた理由とは?~

フィラメントが伴走支援しているNTTコミュニケーションズの新規事業創出コンテスト「DigiCom(デジコン)」。毎回多様なチームがエントリーして、Demodayでは熱の入ったプレゼンが披露されます。2020年度は、テレワークが主流となったことでフルオンライン開催となりました。今回は実際にDigiComに参加した2チームのメンバーのみなさんに、本業との両立など苦労したところ、そしてフィラメントがメンタリングでどういう役割を果たしたのかなどについて、DigiCom事務局の斉藤さんを交えてフィラメントCEOの角勝がお聞きしました。(文/QUMZINE編集部、永井公成)

メンタリングで自己肯定感が増し、パッションを補強できた

角:フィラメントは、みなさんがパッションをもってDigiComに取り組めるようにすごく意識をしているんですけど、そのあたりのご感想など、もしあれば教えていただけますか。Social Impact Innovationの金子さんいかがですか。

金子:この活動の中ではどうしても落ち込むタイミングや熱量が上下することも出てきます。メンタリングに入る前は「あ~。ちっとも進んでない。検討も深まっていないな……」と、ブルーな気持ちだったのに、メンタリング中に妙な波に乗せられているというか。グイグイ押される、この押し上げ感がすごくて。30分のメンタリングが終わったあとには、「すごい、やれるかも!」みたいな自分になっているんです(笑)。そういうことを、何回も体験したんですよね。

角:なるほど。ありがとうございます。

金子:「その人が存在して、その人が考えて、発していることが良いことなんだ」という承認されている感覚が良かったです。あとは、「そう考えたんだったらこういうことも考えられるよ。こういうリソースでもう少し幅を広げられるんじゃないの?」という積み上げ型の議論の進め方は非常にありがたかったです。そのほかにも、自分たちの話を聞いている時の「ふんふん、ふん、おー!」というフィラメントのみなさんの反応も、承認行為の中に含まれていて。その時、皆さんのパワーを画面越しに感じていました。

角:メンタリングで、承認される感覚を得て、自己肯定感が増すということですね。嬉しいですね。ありがとうございます。

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リモートのメリットを最大限生かしてDigiComに参加

角:出場されているチームの皆さんは、本業がある中で、DigiComのための時間の捻出が大変だったと思うんです。皆さんの本業との両立の仕方と、それからご苦労された点を併せてお聞きします。

高橋:ほかのチームはみなさん完全リモートで、みんなバラバラでやっていたと思うんですけど、うちのチームはリモートが定着してきたのが本当に最近なんです。なので初めの頃は本当に、「週に1回は必ずみんなで集まって話そう」というふうにして、発表が近づいた時は、ほぼ毎日集まっていました。

リモートになってからも、自宅や会社から全員繋いでいたので、苦労した点は何もなかったです。どうしても出られないという人がいる場合でも、必ず最低3人は絶対集まっていて、会議後にはチームチャットで内容を共有したりしていました。本業終わりでワークするのでみんな大変だったと思いますが、メンバーのフォローもあってすごくいいチームワークだというのは実感していました。

角:なるほど。続いてSocial Impact Innovationからはいかがでしょうか。

小室:私たちのチームはザ・ボイスターズのみなさんとは違って、実は金子さんとはまだ1~2回しかリアルで会ったことがありません。なので、対面で打ち合わせできていたらもっといい結果が出たかもしれないなと思うところはあります。特に二十何年間もリモートではない環境で働かれていた金子さんからすると、苦労など多かったんじゃないのかとお察しいたします。そのあたり金子さん、いかがでしょうか。

金子:入社1年目の方とのプロジェクトで、しかも決まった仕事を決まったようにやるのではなく、お互いにアイデアを発想するという取組みなので難しかったです。顔色が見えない中、どのぐらい遠慮せず言い合っていいのかをつかめないと感じたところはありました。普段からの接触があって信頼関係を構築した上でのリモートだったら全然大丈夫だったと思うんですけど。

角:リモートの難しさですね。なるほど。お二人は本業が全然違うんですよね。でも本業による仕事のベースの違いは別に影響ないものなんですか。

小室:前日に30分単位で金子さんから不定期にミーティングのスケジュールをいただいていたので、人数が少ないのでスケジュール調整しやすいことなどのリモートのメリットがあったかもしれないです。

角:コンパクトに、オンデマンドでやりやすいのがリモートの良さだったんですね。
なるほど。ありがとうございます。

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メンタリングでの一言ですごく元気が出た

角:次に、「このままじゃ駄目かもしれない」と、そこから翻って「ここからこれはいける!」と思った瞬間。この2つについてそれぞれお伺いしたいと思うんですけど、いかがでしょうか。これもザ・ボイスターズからいきましょうか。

井上:はい。「このままじゃ駄目かもしれない」と思った時は、アイデアに詰まってスランプに陥り、約1か月くらいずっと駄目かもしれないと感じていた日々でした。

一次審査を通過した時の内容だと市場規模が小さくて、二次審査に向けて市場規模とか利益を考えると、どうやってこのサービスを膨らませていこうかのアイデアが浮かばなかったんです。メンタリングをしていただくとフワッと気分だけは上がるんだけど、その後に形が残らず、また気持ちが沈んでいくというような日々でした。「世の中に必要だ。これだったら自分も使いたい」と自信を持って言える、発表できる内容だとは思えなくて。

角:なるほど。じゃあ、それが「これはいける」みたいに切り替わった瞬間みたいなのってあったりとかしますか。

藤澤:本音ではいけると我々の中では思ってるんだけど、外部要因からするとどうかなって悩んでいる時に、まさにメンタリングの中で大きく変わったところがありました。

まずひとつは、それこそ角さんとかから「これいけるから。アレだね。特許取ったほうがいいよ」という、この一言で空気が変わったのは覚えてます。それで、「やっぱりそうでしょ?」と思えて、打ち合わせに出るときは意気揚々と出れました。

あとは、同じくメンタリングする中で、「やっと本気出ましたね」という、こういう一言をいただいたあともすごい元気が出て。今となってはずっと本気だったとは思ってるんですけど、やっぱり周りからいただく声が非常に大きいです。周りから認められると非常に前向きになれるところがあるのかなと思っています。

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角:嬉しいな。いいですね。ありがとうございます。とても藤澤さんの言葉で僕も勇気づけられました。では続いてSocial Impact Innovationのほうにも同じ質問を聞いてみたいと思います。いかがでしょうか。まず、このままじゃ駄目かもしれないと思った時はありますでしょうか。

金子:Demodayのピッチ1時間前にまだ制限時間の6分に収まらなくて、心が焦りまくって、「今日ちょっと駄目だ…」と思っていた時に、25歳以上年下の小室さんに一言、「1回落ち着きましょう、金子さん。深呼吸して」と言われたことです(笑)。マジでチーム組んでもらって良かったと思ってしまいました。

あともうひとつがDemodayで、4チームの内に選ばれなかった時。「このサービスは絶対NTT Comでやるべきだし、今すぐ出すべき」ってすごい信念でやっていたのに、選ばれなかったので、「ここに俺の存在価値ないかな……」みたいに落ち込んでしまったんです。でもその次のメンタリングで、「早くサービス開発して、リリースしましょうよ!事務局にも言いますけど、NTT Comの決断が問われていますよ!」とかそんな会話になって。「俺らDemodayで選ばれなかったのに、みんなで何の話してんだろう」みたいな、このアゲアゲ感に救われました。

角:僕も音楽好きなので、金子さんのチームにはそういう個人としての思い入れみたいなところもあるんですよね。世の中のために音楽ができることはすごくあるんだけど、音楽のパワーが発揮されづらい環境になっているので、そのパワーを増すべきだということ。そこは僕も120%同意で。ただ、一応順番をつけなくちゃいけなくなった時に、思いのほかすごいチームもたくさんいて。

僕的には順番じゃないと思っているんですよね。もっというと順番が上位になったチームがうまくいくわけでもないんです。なので別に、本当は10万点がゴールなのに、100か105点か95点かみたいなやつはどうでもいい話で、誤差なんです。だからもっと高みを目指していってほしいという思いはすごくあって。そのために自分ができる、勇気づけることとかそういうことができるのは全部やろうと思ってやっていました。

今日みなさんにお聞きしたいろいろな学びを、我々もまた活かすようにしていきたいと思いますし、みなさんご発言をされたことによって、自分たちが今やられていることに対するコミットも多分上がってると思います。情熱もより高まってるんじゃないかなと期待しています。これからも一緒に新規事業を作って、世の中を結果的に良くしていくという道を一緒に楽しみながら歩んでいけたらと思います。

次のメンタリングもまた楽しみにしていますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

一同:お願いします。ありがとうございました。

角:ありがとうございます。

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【プロフィール】

ザ・ボイスターズ
■チームメンバー

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高橋恵子(Keiko Takahashi)
NTTコム エンジニアリング サービスネットワーク部 サービスデリバリ部門

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藤澤哲也(Tetsuya Fujisawa)
NTTコム エンジニアリング サービスネットワーク部 サービスデリバリ部門

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井上仁美(Hitomi Inoue)
NTTコム エンジニアリング サービスネットワーク部 サービスデリバリ部門

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伊藤博美(Hiromi Ito)
NTTコム エンジニアリング サービスネットワーク部 サービスデリバリ部門

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渡辺一樹(Kazuki Watanabe)
NTTコム エンジニアリング サービスネットワーク部 サービスデリバリ部門 

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神在風希(Fuuki Jinzai)
NTTコム エンジニアリング サービスネットワーク部 サービスデリバリ部門

■チーム紹介

ザ・ボイスターズです。
私たちはNTTコム エンジニアリングで、ボイスサービスのSOデリバリ担当をしております。
ザ・ボイスターズ名でDigiComに出場するのは、2回目ですが、実はボイスSOデリバリ担当は初回から毎年参加しています!
今回は新規事業創出ということで、アイディアを創出できるか不安ではありましたが、これまでの出場を切らしてはいけない!!!また、ワークショップを受けることにより今後の自分のためになるのではないかという思いから、ボイスSOデリバリ担当全員に声をかけ、「参加します!!!」と手をあげた新入社員から数十年のベテランが集まった6人組のチームです。
私たちはなんといってもチームワークが一番のグループです。
新入社員の新しい意見で刺激をされたベテラン達、各個人が得意分野での作業、通常業務で手が回らなくてもみんなでフォローするなど上げるときりがありません。
そんなザ・ボイスターズですが、新規事業商品化1番のりを目指して頑張ります!


Social Impact Innovation
■チームメンバー

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金子憲史(Norifumi Kaneko)
NTTコミュニケーションズ ビジネスソリューション本部 ソリューションサービス部

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小室直也(Naoya Komuro)
NTTコミュニケーションズ ビジネスソリューション本部 第二ビジネスソリューション部


■チーム紹介

コロナ禍で壊滅的なダメージを受けている音楽ライブ業界の役に立ちたく、Social Impactのある事業として提案しました。スポーツや音楽の映像配信PJに携わってきた入社24年目の金子と、入社1年目の小室の2名で頑張っています。メンターのフィラメント社、事務局、Skywayチームなど、議論をしている皆がチームメンバーと思っています!

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斉藤 久美子
NTTコミュニケーションズ株式会社
イノベーションセンター プロデュース部門 所属

2016年4月より社内コンテストDigiCom(デジコン)の事務局を担当。
第1回のコンテスト立ち上げから企画運営に携わる。
2020年は新規事業創出支援プログラム(BIチャレンジ)と連携し、新規事業創出コンテストとしてDigiComをリニューアル。
72チーム/338名がエントリーし、3日間に渡る予選会と、勝ち上がったチームの取組みを紹介する社内イベント、Demodayをオンラインで開催した。
DigiComと並行して2018年12月より、オープンイノベーションプログラム「ExTorch」事務局も担当。
第1期の事業化検討と第2期のスタート準備を進めている。

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角 勝
株式会社フィラメント CEO

2015年より新規事業開発支援のスペシャリストとして、主に大企業において事業開発の適任者の発掘、事業アイデア創発から事業化までを一気通貫でサポートしている。前職(公務員)時代から培った、さまざまな産業を横断する幅広い知見と人脈を武器に、必要な情報の注入やキーマンの紹介などを適切なタイミングで実行し、事業案のバリューと担当者のモチベーションを高め、事業成功率を向上させる独自の手法を確立。オープンイノベーションを目的化せず、事業開発を進めるための手法として実践、追求している。

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