8ヵ月にわたる常石グループの新規事業人材育成プログラムが完結!成果発表会レポート
研修の振り返り
常石グループの「新規事業人材育成プログラム」は、これまでにもQUMZINEでその取り組みの一部を紹介してきました。今回のデモデイは、8ヵ月にわたるこの研修プログラムの集大成として位置づけられています。
イベントの冒頭、フィラメント代表取締役CEO角勝が、8ヵ月間の研修の振り返りを行いました。
角:今年の4月、ツネイシホールディングス人事戦略部の主導で、常石グループの社員を対象にした研修プログラム「新規事業人材育成プログラム」がスタートしました。
このプログラムは、新規事業立ち上げに不可欠な実践的な知識を兼ね備えた人材を育成することを目的としています。その達成のため、参加者はフィラメントが提供する座学講座、メンタリング、そしてワークショップに参加しました。これらの活動を通じて、新規事業創出のプロセスを実体験し、事業を成功させるための視点や方法、具体的な手法を習得しました。
プログラムの上期では、まずチームビルディングを行いました。常石商事、ツネイシCバリューズ、ツネイシホールディングスから9名のメンバーを3つのチームに分け、フィラメントは新規事業創出のスペシャリスト2名を各チームにアサイン。メンターは、新規事業アイデアをチームと共に考え、隔週でメンタリングを行いました。
キックオフとなる4月のオンサイト研修では、ビジネス基礎知識とマインドセット習得の為の講座を行いました。
5月と6月はリサーチとインタビュー技術の習得に焦点を当て、オンライン講座を通じて新規事業立ち上げのためのリサーチ技法、仮説構築、そしてインタビュー手法について学びました。7月には大阪で商工中金の新規事業ビジネスコンテスト入賞チームとのディスカッションを実施。また、LINEヤフーのオフィスでトータル4時間にも及ぶアイデア創出ワークショップを行い、NTT西日本のQUINTBRIDGEでは事業アイデアに関係するキーパーソンとの意見交換を実施しました。8月には、これまでの成果を「事業アイデア明確化ワークショップ」で発表。参加者は自らの事業アイデアをプレスリリース形式で言語化し、幹部に向けてプレゼンテーションと質疑応答を行いました。
上期は新しい挑戦に苦戦する場面も見られましたが、下期にはプロジェクトの動きがスムーズになりました。下期の目標は、新規事業プランの役員への最終発表と、新規事業人材としてのスキルアップでした。上期では外部企業との交流が刺激となり参加者のモチベーションを高めたことから、下期では企業間交流を積極的に増やしました。10月には大阪でのオフサイト研修を実施し、近畿大学の学生起業家のピッチや、LINEヤフーでの新規事業に関する経験談を聞きました。11月にはMusashino ValleyでLenovo Japan 執行役員 COO山口仁史氏の講演や、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部学部長でMusashino Valley代表である伊藤羊一氏のワークショップに参加しました。
この8ヵ月間、参加者は本業をこなしながら新規事業創出に挑戦し、その努力の成果を本日発表します。これらの発表を楽しみにしていただきたいと思います。
コメンテーター紹介
続いて、今回のデモデイでフィードバックコメントを行うコメンテーター5人から挨拶がありました。コメンテーターはLenovo Japan 執行役員COO 山口仁史氏、常石商事 取締役会長 綿谷伸二氏、ツネイシホールディングス 取締役 西嶋孝典氏、ツネイシCバリューズ 社長 津幡靖久氏、そしてフィラメント代表取締役CEO 角勝です。
ピッチ
いよいよ3チームによる発表が始まります。チームの持ち時間は8分間で、その後12分間の質疑応答が行われます。
最初に発表したチーム1はツネイシCバリューズの細谷昭さん、常石商事の三谷優貴さんと永江賢さんです。
チーム1がピッチで話したのは、世界規模の課題について、身近なところから解決することを目指す事業アイデアでした。ピッチ後の質疑応答ではコメンテーターから、「長期戦略についても言及されており、正直追加でコメントをする必要があまりない。実現するために壁になりうるところはいくつか考えられるが、おそらく世界中でハードルになっているところを乗り越えられるだろうという意味においても、常石グループがやる意義はあるだろうし、面白い」というコメントをいただいたり、ビジネスアイデアのポテンシャルに関する質問が出た際にも、事前に準備していた試算結果を回答したりと、しっかりとした受け答えをしていました。
続いて発表したチーム2は常石商事の山下晃裕さんと大森悠尊さん、ツネイシホールディングスの清水亜也子さんです。
チーム2は22社に対しおよそ70時間のインタビューを行い、ビジネスアイデアを練りました。内航船業界の課題について掘り下げ、その課題に対するソリューションを考えました。プレゼンの最後は「一緒に内航海運の未来を作りましょう」と元気よく締めくくったのも印象的です。ピッチの後、質疑応答でコメンテーターからは、「課題に対し、異なる解決策を実施した方が良いのではないかと思ったが、プレゼンを聞いていくうちに腹落ちした。」というコメントや「近い将来、グループの中で存在感を示してくれるだろうこの事業の社長は、3人のうちの誰がやるのか?」といった、場が盛り上がるような質問も出ました。
最後に発表したチーム3は、ツネイシCバリューズの児玉直さんと高橋賢次さん、ツネイシホールディングスの貞森俊輝さんです。
チーム3はキャッチーなサービス名を付け、プレゼンのタイトルに持ってくることでオーディエンスの耳に残るようにし、印象付けました。現在実際に発生している課題を例に挙げ、DXを進めることでその解決を試みます。既存事業でのネットワークを活かして成長できるビジネスアイデアであることから、自分たちが取り組むべき事業であると強調しました。ピッチ後の質疑応答ではコメンテーターから、チームのアイデアをよりよくできるような追加サービスや組み先などの提案があり、さらによいビジネスアイデアへと昇華させていました。
個人の学びの振り返り
ピッチが完了したのち、参加したメンバー9名がそれぞれご自身の言葉でこの8ヵ月間を振り返りました。本業に加え、今まで知らなかった知識を学んだり、課題に挑戦したり、ワークショップに参加したり、直前までピッチの準備をするなど、決して楽な道ではなかったとみられますが、参加者からは「メンタリングはアットホームな雰囲気で、メンターは『先生』というよりは『先輩』のような感じで接していただきました」「とにかく物事を面白がってみて、しっかり調べて学んでいくことは今後も取り入れていきたいと思いました。後輩にも伝えたいです。」「学生起業家やメンター、ワークショップの講師など様々な人に出会い、スキルだけでなく、今このときを全力で生きる姿勢も学べたのが良かったです。」といった前向きなコメントが寄せられました。
コメンテーターによる講評
参加者による振り返りの後、コメンテーターによる講評をいただきました。
まずはゲストコメンテーターのLenovo Japan 執行役員 COO 山口仁史氏が講評を述べました。
次に、ツネイシホールディングス 取締役 西嶋孝典氏が講評を述べました。
最後に、常石商事 取締役会長 綿谷伸二氏が講評を述べました。
総評
最後に、総評を行いました。
まずは、ツネイシCバリューズ 社長 兼 ツネイシホールディングス取締役(人財戦略担当)の津幡靖久氏が総評を述べました。
そして、フィラメント代表取締役CEO角勝が総評を述べました。
【関連記事】
QUMZINEを運営するフィラメントの公式ホームページでは、他にもたくさん新規事業の事例やノウハウを紹介しています。ぜひご覧ください!