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【緊急取材】超スピード連携!神戸市×出前館の飲食店支援策の舞台裏

こんにちは、フィラメントの宮内です。今回は、弊社がオープンイノベーションの同志として非常に懇意にしている、神戸市さんのお話です。

神戸市は4/24に、コロナ禍によって苦境に立たされている飲食店や家庭向け支援策として、出前館と連携した「KOBE 出前シフトサポート」を発表しました。これはUber Eatsと神戸市の提携に続く第2弾の支援策となります。

実はこの提携の発端には、フィラメントCEOの角勝も大きく関わっているのですが、それについては自慢みたいになりますので(笑)、後述いたします。

フィラメントでは記者発表直後に、出前館代表取締役社長の中村利江さんと、神戸市つなぐラボ特命係長の長井伸晃さんに緊急インタビューを行いました。

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写真左から、出前館代表取締役社長の中村利江さん、神戸市つなぐラボ特命係長の長井伸晃さん

--今回の施策について、ワンフレーズでポイントをご紹介いただけますでしょうか?

中村:これまで当社が複数の自治体さんとスタートした取り組みは「ユーザー支援」の側面が大きかったんですが、今回は神戸市様と初めて「飲食店支援」に踏み込んだ企画になっています。

--非常にスピード感をもって実現していったと思うんですけど、背景やストーリーがあったらお伺いしたいです。

長井:早くしないと閉店してしまう飲食店がどんどん出てきてしまうため、とにかくスピード重視で市長、副市長ともやりとりしました。スピーディーかつ、内容は充実したものにしなければならない。なので「飲食店支援」に重点を置いていることを出前館さんに率直にお話ししたところ、こういうことができますよと提案をしていただいて。何度かキャッチボールをしながら、予算の範囲内で最大限できることをまとめました。

中村:もともと2年前くらいから、イートインから出前を強化していく時期だと考えていました。上場企業ですから赤字ではなくしっかりと収益化するべきですが、ある程度は赤字でも投資をする期間が必要だと思っています。そのための資金はLINEさんとの提携で得られたので、いま私達が赤字でも積極的に投資をおこなうことで、飲食店さんにもこうした新しいサービスの利便性をご理解いただいて、シフトチェンジしていただける機会になるんじゃないかなと思っています。

「KOBE 出前シフトサポート」とは

今回の取り組みは、3本建てになっています。

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まずはサービス利用料10%について、神戸市と出前館が半額分を助成。

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2つ目は、出前館の負担による初期費用20,000円の免除を、7月31日まで延長。

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3つ目は、シェアリングデリバリー®を使う際の配達代行手数料30%のうち、7%を出前館が負担。

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また、飲食店はコロナショックにより従業員の雇用維持に苦労しているのに対して、出前館は逆に需要が伸び配達スタッフを確保する必要があります。そこで飲食店の従業員を出前館などの配達スタッフとして短期で雇用する「飲食店向け緊急雇用シェア」といった施策も開始しています。神戸市ではこの取り組みをPRするなどして拡大支援します。

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他にも、家庭向けの支援として1,000円以上の注文(一回のみ)で、500円分のポイントまたはクーポンを発行します。
出前館はLINEデリマやドコモのdデリバリーと提携しているため、前回提携をしたUber Eatsがカバーできていないエリアやユーザー層へもリーチができます。

同じ価値を創出するためのパートナー

--今回、神戸市のつなぐラボに長井さんがいたからスピードが早かったのではないかと僕は思っているんです。つなぐラボが果たす役割についてどう考えていますか?

長井:もともとつなぐ課が去年の4月にできたときには、遊撃部隊として、とにかく課題重視、市民本位、市民目線、地域目線で政策を作っていくのがミッションでした。今は非常に課題が明確なので、ストレートにアタックできるし、市長、副市長とも密にやりとりできる体制になっています。それに加えて、もともと構築してきたネットワークもあったので、いろんなものが組み合わさって良いスパイラルが起こっているように感じます。

中村:いま30くらいの自治体さんと提携のお話が進んでいますが、自治体さんによって違いを感じています。セクショナリズムでなかなか動かないというケースはありますので、神戸市さんのようにつなぐラボがあると非常にいろんな判断が早くできるというのを感じます。もう一つは長井さんご自身のことで、最初に打ち合わせをさせていただいたその場でフェイスブックを交換して、そこでやりとりをさせていただくような関係性が築けていました。

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--やはり、つなぐラボのような存在は大きいですね。

中村:やっぱりトップの判断が早いということと、そこにつながる窓口があるという2点に尽きるかと思います。すぐ判断できるトップがいらっしゃって、それをサポートしてちゃんと正しい情報を伝える部署というか窓口の方がいらっしゃる、その2点がある自治体は、全てにおいて強いということを実感しております。

--そういうアイデアを形にするときに、外部のパートナーって長井さんにとってどういった位置づけなのか聞いてみたいです。

長井:外部ではなくて、同じ価値を創出するためのパートナーだと思っています。いかに早くその関係性になれるか。今回ファーストコンタクトで僕の人柄がどれだけ伝わったかはわからないですけど、さらけ出して信頼してもらえるように努めています。その上で腹を割って、こちらの事情であるとかを隠し事なく伝えて、とにかく真摯に対応して、自分でできることは最大限やる。今回やって良かったなと思うのは、記者発表のパワーポイントの資料は全部僕が作ったんですよ。共通認識を深めるためには、自分が理解した上で作ってみる、その方が早いなと思ったので。

「さらけ出して信頼してもらう」というのは、まさにオープンイノベーションでもっとも大切な要素だとフィラメントは思います。常にこうしたパートナーの一員だと思い、行動するように心がけています。

実は、そもそもこのアイデアは、長井さんがフィラメントの角をはじめ、何人かの気のおけないメンバーを誘ってオンラインでブレストをしたことがきっかけになっています。そこから人を介して出前館へとつながり、人と人、情報と情報が繋がってこれだけスピーディーに課題を解決することができたのです。

フィラメントは人の繋がりを大切にし、課題に対してアイデアを出すことで世の中に新しい価値を生み出しているのが誇りです。それが直接仕事になる場合もあればそうでない場合もあります。でも大事なのは、その価値を生み出しているかを意識し、かつ「面白がれているかどうか」ということではないでしょうか。

>>本インタビューから1週間後、出前館はさらに奈良商工会議所・奈良市との連携も発表!
▼出前館 プレスリリース
出前館、奈良商工会議所・奈良市と連携し出前利用促進キャンペーンを実施



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