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商工中金は「顧客の課題」に寄り添う金融機関に生まれ変わる! ~商工中金ビジネスコンテスト2022 二次選考キックオフイベントレポート~

あの「商工中金」が、自ら新規事業を生み出すために本気で社内ビジネスコンテストに取り組んでいます。
政府系金融機関として知られる商工中金は、「中小企業による中小企業のための金融機関」として日本の地域経済に欠かすことのできない唯一無二の存在です。そんな商工中金が、なぜ今、新規事業創出というビッグイシューにチャレンジしているのでしょうか?

第3回目となる今年のビジコンからフィラメントもパートナー企業として全面サポート中。今回は12月12日に虎ノ門ヒルズインキュベーションセンター ARCHで開催された「商工中金ビジネスコンテスト2022 二次選考キックオフイベント」の模様をレポートします。100名近い社内エントリーの中から一次選考を通過した9チームが虎ノ門に集結。参加者のパッションはもちろん、サプライズで激励に駆けつけた商工中金・関根社長の熱い思いも感じてください!

開会あいさつ

まず、商工中金経営企画部未来デザイン室の垣沼陽次郎氏から開会あいさつが行われました。

垣沼氏からは、二次選考の活動スケジュールとともに、ビジコン終了後の事業化に向けたプロセスについても説明がありました。その中で特に強調されていたポイントが「顧客視点」の重要性です。

「商工中金が売りやすいサービスを作るのではなく、顧客の欲しがるサービスを目指しましょう!」

垣沼氏のメッセージを聞いた参加者全員の目の色が変わり、改めて今回のビジコンそして新規事業創出にかける商工中金の本気度が伝わってきました。

また、過去にビジコンに参加していた人は、その後の本業でも評価されており、その人の成長につながっているそうです。


オンボーディング① 仮説検証フェーズの進め方

続くオンボーディングでは、フィラメントの角から「仮説検証フェーズの進め方」についての講演がありました。

新規事業創出の仮説検証フェーズにおいて何より重要なことは「課題の本質の突き詰め方」です。

角は、「新規事業において多くの場合、課題を見つける際に、課題が発生している状況の把握にとどまっており、できない理由の本質を掘り下げるのが限定的となっていることが多い。課題の本質まで掘り下げることが必要である」と、述べました。

角がこれまでの人生で感銘を受けた2冊の書籍を引用しながら、表面的な課題にとどまることなく、課題の本質まで深堀りすることの重要性について説きました。


オンボーディング② ユーザーインタビューについて

次に、フィラメントの佐藤が「ユーザーインタビュー」の講座を行いました。この講座では、新規事業におけるユーザーインタビューの仕方を学び、インタビュー結果から新たな「問い」と「仮説」を立てることを目的としています。

普通の企業なら「だれにインタビューしたらいいのかわからない」「近くにターゲットとなるような人がいない」という困りごとが発生しがちな中、商工中金の皆さんは日常的な顧客接点と距離の近さという強みを活かして、どんどんユーザーインタビューを進められていると、称賛しました。

講演では、インタビューの準備や実際のインタビュー時に有用なTips、良いインタビューがどんなものかなどを紹介しました。「良いインタビューは、なぜインタビュー対象者がそのように思っているのか、そのような行動をとっているかの深堀りができているもの」と言います。そのためにはインタビュー時に感じた気づきを記録し、その気づきから導かれた「なぜ?」の質問を繰り返してその人の本音を聞き出すことが重要であると述べました。

チームビルディング講座

フィラメント角による「チームビルディング講座」です。

「チームメンバーが意識すべき役割分担」について、「たたき台を作る人」、「〆切を作る人」、「風呂敷に中身を詰める人」がいるとプロジェクトがうまく回ると述べました。新規事業創出に挑むということは、まさに「たたき台を作ること」に他ならず、チームにたたき台を起点としたこの3種類の人がいることで新規事業創出がうまく動くといいます。講演後、チーム内のコミュニケーションにおいても、「私は〆切を作る人になるね」といった言葉が聞かれ、この話を自分事としてとらえ、実践している様子がうかがえました。

A4一枚でアイデアを磨く提案力強化ワークショップ

そして、今回のキックオフのメインイベントとなるワークショップに続きます。「A4一枚でアイデアを磨く提案力強化ワークショップ」は、Amazon内部でも用いられる、プレスリリースを模したドキュメントを作成するワークショップです。

プレスリリースを作成することで、アイデアのコアバリューに集中し、客観的に価値を検証できるようになります。読者は、提案者の意図を正しく理解し、短時間で共通の基盤に立って議論や業務に参加できます。また、思い付きのアイデアから思考・議論のたたき台に進める際や、顧客視点で新規事業の価値を定義する際、また事業開発やプロジェクトのベースラインを規定する際に役立ちます。

アイデアを人に伝える際には、PowerPointが使われがちですが、PowerPointで使われる箇条書きでは読み手が文脈を補完する必要があり、話者と聞き手が共通の理解ではなくなってしまいます。今回は文章でアイデアをまずは各自で書きだし、チームでディスカッション後に一本化することで、チームのアイデアに関する方向性や目線を一致させるためにこのワークショップを行いました。

これまでオンラインでのテキストメンタリングを行ってきたフィラメントの担当メンターがチームを周り、初めての対面コミュニケーションで適宜助言を行います。(ようやくリアルでお会いすることができました!)

ディスカッションではどのチームも議論が盛り上がっていました。

ワークショップの最後では、ディスカッションの成果として各チームが発表しました。今回のワークショップにより、個々人が精緻に言語化したことで、アイデアを考えるにあたって考慮できてない部分に気付き、その部分を考える機会となったほか、ディスカッションを行ったことで、チームで同じ目線でアイデアをとらえ、今後の事業化に取り組んでいくことができるようになりました。

発表後の質疑応答では、参加者やメンターから積極的な意見が交わされました。

関根社長からの激励の言葉

最後に、激務の合間を縫ってサプライズで会場に駆けつけられた商工中金の関根社長から参加者へ激励の言葉をいただきました。

関根社長は、

「今年はどれくらいの応募があるのかというのが率直な思いでしたが、100名近くの人が応募し、Slackでの議論も活発にされたので驚きました。
これまでの商工中金は、危機対応業務や制度融資など定型的な業務でお客様の課題解決をしてきた部分が多かったですが、これからはそういう時代ではなくなってきています。お客様の本当の課題にきちんと寄り添って一緒になって解決していくことが金融機関に求められていますが、これができる金融機関はなかなかありません。

我々がそれをできるようになったら、オンリーワンの素晴らしい金融機関になりますし、社会からも評価されます。お客様からも感謝されると思っています。そのためにはこのような取り組みがすごく大事です。

今日の発表を聞いていても、これからの社会の中で課題となるようなことについてしっかりと認識して、それを解決していこうという姿勢がうかがえました。こういった経験が本当に皆様の活動の幅を広げますし、成長を促すと思っています。

先日行われたワールドカップカタール大会の日本対クロアチア戦で、日本側のキッカーを手上げ制で募っていました。結果的に負けてしまいましたが、それは結果でしかありません。失敗を恐れずに自ら手を挙げて挑戦することが大事です。悔いが無いよう、やりがいをもって、前向きに楽しく進めてほしいです。ぜひ頑張ってください。」

と述べ、参加者を激励しました。

今回のキックオフイベントの後、各チームは隔週でフィラメントメンターとオンラインメンタリング、そして随時Slack上でのテキストメンタリングを受けながら、事業アイデアの成立可能性を高め、1月下旬の中間発表、そして3月下旬のデモデイに臨みます。

事業開発に適したマインドセット、そしてインタビュー法を身に着け、PRFAQによるチーム内での目線合わせができたこれからの商工中金の各チームの成長と発展に今後も期待しましょう。


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