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パリオリンピック2024を振り返ってみよう〜ジェンダー平等と都市型競技の躍進〜

パリオリンピック2024が幕を閉じ、パラリンピックが開幕しました。日本選手団は、海外での開催において過去最多のメダル獲得数を記録し、特に10代の選手が活躍したスケートボードでは、次回のロサンゼルス大会でのさらなる躍進が期待されています。しかし、パリ大会の注目点はメダル獲得だけではありません。本記事では、オリンピックにおけるジェンダー平等、新種目、そして競技ルールの変更について振り返ります。(文/QUMZINE編集部 土肥紗綾)


オリンピックにおけるジェンダー平等とは何なのか?

1896年、第1回目の近代オリンピックはアテネで開催されました。そして1900年の第2回オリンピック開催地はパリ。このパリオリンピックでは、22人の女性選手が5種目に参加しました。(ちなみに、男性選手は1000人以上が参加していました。)

時は流れて、124年後の2024年に開催されたパリオリンピックでは、男女の出場選手数が初めて同数となり、歴史的な一歩を踏み出しました。しかし、女性選手の待遇改善など、まだ多くの課題が残されています。日本のスポーツ庁が掲げる中央競技団体の女性理事割合40%以上の目標は未達成であり、IOC理事会の女性比率も33.3%にとどまっています。

そもそもスポーツにおけるジェンダー平等とは何なのでしょうか?男女比率だけではないさまざまなジェンダーに関する問題が現れてきています。


新種目の導入とオリンピックの変化

パリ大会では唯一の新種目としてブレイキンが採用されました。前回の東京オリンピックで採用されたスケートボードは大きな盛り上がりを見せたことが記憶に新しいですよね。(一方で、野球やソフトボールのように採用されたり外されたりする種目もあります。)

なぜオリンピックでは種目が増えたり減ったりしているのでしょうか?

最近の理由としては「若者離れを食い止めたい」というIOC(国際オリンピック委員会)の思惑があると言われています。現代社会において若者が夢中になるのはスポーツだけではありません。Tik TokやNetflixなどスポーツ以外の魅力的なものがたくさんあります。

そこで若者に人気のアーバンスポーツを中心にオリンピックの新種目として採用を進めています。それによって若者にもっとオリンピックを見てもらおうという作戦なのですが、そんなオリンピックの進化についてはもう少し時間をかけて見守っていきたいところですね。


WATER BOYS!シンクロナイズドスイミングに男子も出場できる!?

新種目の導入だけでなく、既存種目のルール変更も行われています。
たとえば、東京オリンピックではスポーツクライミングは「ボルダリング」と呼ばれ、「ボルダー・リード・スピード」の1種目で成績が競われていました。今回のパリオリンピックでは「ボルダー・リード」と「スピード」の2種目にわかれ、スポーツクライミングで得られる金メダルの数は2枚に増加するなど、少しずつ既存種目のルールが変わっています。

そんな中であまり話題になっていなかったアーティスティックスイミング(シンクロナイズドスイミング)のアップデートがこちら。「女子選手のみが出場してきたアーティスティックスイミングのチーム種目で最大2人の男子選手を起用できる」

ビッグニュースだと思うのですが、あまり話題になっていなかった理由は「実際に出場する男子選手がいなかったから」
今回は、アーティスティックスイミングに男子選手ができるようになったタイミングがパリオリンピックの開催18ヶ月前だったこともあり実現はしませんでしたが、今後のオリンピックでのWATER BOYSの登場に期待したいですね。


パリ大会が示したオリンピックの未来

パリオリンピック2024は、スポーツの祭典としての魅力を存分に発揮した大会となりました。同時に、ジェンダー平等や競技の多様性など、オリンピックが抱える課題も浮き彫りになりました。

オリンピックは、単なるスポーツの大会ではなく「平和の祭典」であることを示し、より包括的で持続可能な形へと進化をしていく必要があります。次回のロサンゼルス大会でのオリンピックの進化に期待しましょう。


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